1993 Fiscal Year Annual Research Report
会計情報公開制度における非財務関連的情報のコミュニケーション効果に関する実証研究
Project/Area Number |
05630089
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Research Institution | Osaka Gakuin University |
Principal Investigator |
船本 修三 大阪学院大学, 商学部, 教授 (80121763)
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Keywords | 集計値(aggregates) / 基礎にある生のデータ / 集計値の信頼性の確証 / 会計の集計過程 / 非同一性の法則 / メタ表現と対象表現 / 最終出力情報たる財務諸表 / 会計情報システムと出力基準 |
Research Abstract |
本年度は、一部上場会社のうち電気機器業界98社の有価証券報告書総覧(平成元年〜平成5年)490データをサンプルとして、調査研究を行った。このなかで、非財務関連的情報としては[営業の概況]の中に見いだされる「国際環境」・「国内環境」・「企業戦略」に関する経営者のエクスプレッションの非計量的データを抽出し、そして財務関連的情報としては[経理の状況]における「当期純利益」・「1株当り純資産額」・「1株当り当期純利益」および「会社の概況」における「1株当り配当等の推移」の計量的データを抽出し、これを分析した。その結果、非計量的非財務関連的情報としての経営者のエクスプレッションに良好な記述がみられるときは、計量的財務関連的情報としての次年度ないし次次年度の当期純利益に増加傾向がみられるという相関関係が存在することを析出した。 わが国企業の会計情報公開制度のもとで開示される経営者のエクスプレッションに代表される非計量的非財務関連的情報が、株主・債権者・取引先・国家地方公共団体・地域住民・経営者・従業員等の会計情報利用者の企業業績の良しあしの判断資料として、財務諸表上の当期純利益に代表される計量的財務関連的情報よりも時間的に先行する指標となる、という分析結果は、当初に設定した「会計情報利用者が、その意思決定過程において主として財務諸表に代表される計量的財務関連的情報を利用するときは、財務諸表が複式簿記機構を基礎とする会計の集計過程を経て作り出される最終結果たる集計値(aggregates)を表示するものであるから、集計以前の基礎にある生のデータ(underlying raw data)を識別することができないために、非計量的非財務関連的情報に対して相当程度の依存関係を認めることができるのではないか」という仮説を、実証するものである。
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Research Products
(1 results)