1994 Fiscal Year Annual Research Report
会計情報公開制度における非財務関連的情報のコミュニケーション効果に関する実証研究
Project/Area Number |
05630089
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Research Institution | OSAKA GAKUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
船本 修三 大阪学院大学, 流通科学部, 教授 (80121763)
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Keywords | 集計値(aggregates) / 基礎にある生のデータ / 集計値の信頼性の確証 / 会計の集計過程 / 予測の行動的意味 / 予測のエディプス効果 / 最終出力情報たる財務諸表 / 会計情報システムと出力基準 |
Research Abstract |
本年度は、電気機器業種第一部上場会社107社のうち、前年度に分析し終えた98社を除く9社の有価証券報告書総覧(平成元年〜平成5年)45データ、および同業種第二部上場会社54社の有価証券報告書総覧(平成元年〜平成5年)270データをサンプルとして、調査研究を行った。前年度同様、非財務関連的情報としては[営業の概況]の中に見いだされる「国際環境」・「国内環境」・「企業戦略」に関する経営者のエクスプレッションの非計量的データを抽出し、また財務関連的情報としては[経理の状況]における「当期純利益」・「1株当り純資産額」・「1株当り当期純利益」および[会社の概況]における「1株当り配当等の推移」の計量的データを抽出し、これを分析した。 その結果、わが国企業の会計情報公開制度のもとで開示される経営者のエクスプレッションに代表される非財務関連的情報が、株主・債権者・取引先・国家地方公共団体・地域住民・経営者・従業員等の会計情報利用者の企業業績の良しあしの判断資料として、財務諸表上の当期純利益に代表される財務関連的情報よりも時間的に先行する指標となる、という結論を得た。これは、「企業の利害関係者の意思決定過程においては、非計量的非財務関連的情報に対して相当程度の依存関係を認めることができるのではないか」という当初に設定した仮説を実証すると共に、非財務関連的情報が予測情報として非常に重要な役割を果たすことができることを提示するものである。 なお、予測情報の信頼性という点をみてみると、予測そのものが行動的意味をもっているため、これを測定することには困難が伴う。予測が予測された事象に対して影響を及ぼすという予測のエディプス効果が現れるからである。そのため、本研究では、予測情報の信頼性を確証することはできなかったわけであるが、これが本研究の限界であると共に、今後の研究課題でもある。
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Research Products
(1 results)