1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640132
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
相馬 輝彦 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (50154688)
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Keywords | hyperbolic 3-manifold / ending lamination / bounded cohomology / topologically tame end / geometrically tame end / rigidity theorem / covering theorem / closed surface |
Research Abstract |
3次元多様体のエンドの研究を通じて,無限体積の双曲的3次元多様体に関する剛体性定理が得られた.Σ_gを向き付け可能な閉曲面でその種数はg>1であるとする.このとき,Σ_gとホモトピー同値な完備双曲的3次元多様体Mは無限体積になる.ここでは,Mが幾何的有限なエンドを持たない場合を考える.すなわち,Mは2重退化している双曲的多様体とする.もし,このときMの単射半径の下限inj(M)が正であるならば,Y.Minskyの剛体性定理よりその幾何的構造はエンディング・ラミネーションのみによって決まる.研究代表者は,単射半径の下限が正の2つの双曲的多様体M,M′が与えられたとき,そのエンディング・ラミネーションが一致する為の必要十分条件を3次元有界コホモロジーH^3_b(Σ_g;R)の元として定義されるM,M′の基本類〔ω_M〕,〔ω_<M′>〕を使って与えた.MがM′と等長的であるときは当然〔ω_M〕=〔ω_<M′>〕が成り立つが,研究代表者はより緩い形で表現できる必要十分条件を得た.実際,Σ_gの種数gおよびinj(M)のみに依存する定数ε>0が存在し,H^3_b(Σ_g;R)上に自然に定義される擬ノルム||・||に関して||〔ω_M〕-〔ω_<M′>〕||<εであるとき,MとM′は同じエンディング・ラミネーションを持ち,したがってMとM′は等長的であることが証明できた.また,この結果を使ってR-ベクトル空間としてH^3_b(Σ_g;R)が連続濃度次元であることも分かった.その上,有界コホモロジーの基本類を利用したこの剛体性定理は双曲的多様体が境界既約なHaken多様体にホモトピー同値な場合にも一般化できた. この他に,位相的に順なエンドを持つ双曲的3次元多様体に関するR.Canaryの被覆定理を利用して,全射準同型写像f:G→Z*Zを許すような任意の群Gに対して,H^3_b(G;R)が連続濃度次元であることが証明できた.
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[Publications] Teruhiko Soma: "Equivariant,almost hameomorphic mops between S^1 and S^2" Proc.Amer.Math.Soc.(発表予定).
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[Publications] Teruhiko Soma: "A rigidity theorem for Haken manifolds" Math.Proc.Cambridge Phil.Soc.(発表予定).
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[Publications] Teruhiko Soma: "Rotation of spatial graphs" Topology Applications. (発表予定).