1993 Fiscal Year Annual Research Report
クライン群のCOMMUTATORの跡の評価とカラーの補題への応用
Project/Area Number |
05640240
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Research Institution | Kanazawa Gakuin College |
Principal Investigator |
古沢 治司 金沢女子短期大学, 教授 (70141364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 政夫 金沢工業高等専門学校, 助教授 (60064466)
佐竹 誠 金沢女子短期大学, 助教授 (40205886)
島 孝司 金沢女子短期大学, 教授 (00162660)
山下 浩 金沢女子短期大学, 助教授 (20158166)
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Keywords | メビウス変換群 / クライン群 / カラーの補題 / Margulis定数 / ディリクレ基本多面体 / 双曲的3次元多様体 / コミュテーター / 測地線 |
Research Abstract |
1.上半空間に作用するクライン群の成分で斜航的元fの乗法因子の絶対値m(f)がある定数c_1以下であるとき,fの軸のまわりのカラーがある。これまでの研究ではヨルゲンセンの不等式の応用としてカラーの考察がなされていたが,この研究はコミュテーターのトレースの評価から導入した。特に,m(f)がc_1に近づくときのカラーの体積については大きくとれる。これは,完備な双曲的3次元多様体Mからみると,M上の非自明な閉測地線gで長さが定数c_1以下のときgのMに埋め込められた管状近傍N(g)が存在してその幅及びN(g)の体積は閉測地線gの長さに関して単調減少である。またm(f)が1に近づくときはN(g)の幅及びN(g)の体積は∞に近づく。 2.クライン群GAMMAの適当な共役群の中にあるノルムに関して任意のGAMMAの元について,ノルムが定数c_2以上となるようにできる。また,GAMMAの斜航的元fについて,あるnがあって,f^nのトレースの2乗から4を減じたモジュラスはfの乗法因子で単調増加な関数を優関数とすること。また,メビウス変換群に3種類のノルムを導入するとにより,Margulis定数の下限の評価2c_3が得られる。この評価式はm(f)がc_1以上の元ばかりから生成されるクライン群の上半空間におけるディリクレ基本多面体には双曲的半径c_3の球を含むことが示された。 3.クライン群GAMMAが放物型の変換を含むとき,上半空間におけるGAMMAのディリクレ多面体の体積は√3/4以上であること。上で述べた1,2より,結論として,完備な双曲的3次元多様体Mの体積は0.0013以上であることを示した。この結果は現在投稿中である。
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[Publications] 古沢,治司: "A lower bound for the volume of Dirichlet fundamental polyhedorons" Research Institute for Mathematical Sciences. 1-15 (1994)
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[Publications] 古沢,治司: "The collar lemma for discrete subgroups" 金沢女子大学紀要. Vol.7. 1-12 (1993)