1993 Fiscal Year Annual Research Report
セルオートマトンとセル微分方程式の研究およびその非平衡統計力学への応用
Project/Area Number |
05640283
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
丹羽 敏雄 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (70025419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 茂 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (40147004)
田中 茂 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (70055317)
伊藤 俊次 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (30055321)
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Keywords | エントロピー増大法則 / セル・オートマトン / 無限粒子系 / エルゴード問題 / 非平衡系 |
Research Abstract |
非平衡統計力学の基本問題の一つである微視的力学の可逆性と巨視的力学の非可逆性の間の矛盾をとくこと,及びその代表的問題であるいわゆるエントロピー増大法則を基礎づけること,それが我々は研究の主たる目的でった。この1年間の研究により,1次元格子上の無限剛点系の時間発展に対して,以前,技術的な理由による特別な条件,すなわち,「密度」に関するある制約条件のもとでのエントロピー増大法則の厳密な数学的証明を発表したが,今回,その技術的な条件を取り除くことに成功した。この結果は,J.Math.Kyoto Univ.にOn the law of increasing of a one-dimensional infinite system IIとして発表される。また,これを多次元化することは極めて困難ではあるがその重要性はいうまでもない。我々は,多次元のより一般的な離散系,すなわち、可逆なセル・オートマトンの場合に問題を定式化し,問題を「再生性」のもとで,エントロピー増大法則を始めとする関連結果を得ることに成功した。この「再生性」の概念は問題をさらに考えていく上で鍵となる概念であろうと思われる。多次元の場合,その具体例を見つけることが今後の課題であるが,今のところ比較的単純な例に留まっている。しかし,1次元の場合はある種の「化学反応」を含む場合にも上記の論文に含まれる内容を拡張することには既に成功した。これらの結果は近い将来,学術雑誌等を通して発表する予定である。多次元の場合に興味ある例を発見するためには計算機による実験が重要な手がかりを提供すると思われるので,今後もそれを進めて行きたい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Niwa T,Tanaka S,Mizutaxi M.: "On the law of increasing of a one-dimeusional infinite System II" Journal of Mathematios of Kyoto University. to oppear.
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[Publications] 丹羽敏雄: "ハミルトン系とカオス" 数理物理93. 46-63 (1993)