1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640309
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
沢 武文 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (90111864)
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Keywords | ダイナモ / 宇宙磁場 / 差動回転 / ローレンツ力 / 渦状腕 / 衝撃波 |
Research Abstract |
M51やM81に観測されている双対称渦状磁場(BSS磁場)は、銀河のダイナモ作用によって維持されると考えられている。我々はこれまで、r方向の磁場の分布は渦状腕と同様周期的に変化すると仮定し、z方向の磁場の分布を解くという方法で、通常考えられている場合と逆センスに働くダイナモ(負のダイナモ)によって銀河全体にわたるBSS磁場の維持が可能であること、ハロ-領域での磁力線は銀河面に対して垂直になることなどを示してきた。 これに対し、ロシアのRzumaikinグループや東北大のグループは、z方向の磁場の分布をr方向に対してはローカルに一様とするローカルな誘導方程式から求め、それをグローバルな誘導方程式に適用して磁場のr分布を求めるという方法で解析を行っている。この解析から、彼らはBSS磁場は軸対称磁場に比べ成長率が低いこと、BSS磁場はr方向に対してはごく狭い領域にしか存在できないことなどの結果を得ている。しかし彼らはあくまで通常考えられているダイナモのみで議論している。 本年度は我々の得た結果と他の研究者の結果を比較するため、彼らと同じ方法を用いて、負のダイナモの場合のBSS磁場の成長率と存在範囲を調べ、BSS磁場が渦状銀河全体にわたって存在することができるかどうかを議論した。 その結果、負のダイナモを用いると、成長率は低いものの、銀河全体にわたって存在するBSS磁場の解が得られた。これはこれまでの我々の解と基本的に一致するものであり、我々の方法と他の研究者の方法とが基本的に同じであることがわかり、これらの結果、BSS磁場を維持するには負のダイナモが必要であるとの結論に達した。
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[Publications] L.T.Gardiner: "Numerical Simulation of the Large Magellanic System-I.Orbits of the Magellanic Clouds and the Global Gas Distribution" Monthly Notices of the Royal Astronomical Society. 266. 567-582 (1994)
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[Publications] T.Sawa: "Generation and Maintenance of Bisymmetric Spiral Magnetic Fields in Disk Galaxies in Differential Rotation" Proceedings of the Fourth Conference on Plasma Physics and Controlled Nuclear Fusion. SP-351. 375-378 (1993)