1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640329
|
Research Institution | UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
大橋 英雄 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (40134647)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 顕 東京大学, 宇宙科学研究所・惑星研究系, 助教授 (70173482)
山越 和雄 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (00025355)
|
Keywords | 惑星探査 / 搭載機器 / 検出器 / 海外共同研究 |
Research Abstract |
本研究は1998年打ち上げ予定の、我が国初の惑星探査衛星PLANET-Bに搭載される宇宙塵検出器MDC(Mars Dust Counter)を製作する事を目的としている。昨年度の実績報告書なども指摘したようにMDC-PBのモデルとなった1990年に打ち上げられた工学実験衛星「ひてん」に搭載されたMDC(Munich Dust Counter)[MDC-ひてん]の欠点は角度分解能が145度と非常に悪いことであった。本研究ではMDC-PBの角度分解能の向上を目指すことを目的として申請を行ったが、衛星側の事情により検出器の重量が500gと制限され(後ほど交渉により600gまで獲得した)たため、角度分解能向上のための改良を施すことが不可能となってしまった。しかしMDC-PBのプロトタイプモデルの作成はドイツ側研究者を中心として、本年度末に宇宙科学研究所で行われるテスト実験を目標に製作が進んでいる。本研究の主要目標であったMDC-PBの角度分解能向上のための具体的な仕事は進められなかったが、ダスト検出器一般に関する基礎研究は、ピエゾフィルムやピエゾ素子を用いた位置有感型衝突センサーに関しての基礎データを取る実験を行った。グリットワイヤーメッシュを用いた入射粒子の電荷検出に関する実験は実行できなかった。 来年度以降の研究計画は、本年2月20日より研究分担者の宇宙科学研究所藤原顕教授のもとへ、ブレーメン大学のHeinrich Iglseder博士が外国人研究員として一年間の予定で来日した。かれは「MDC-ひてん」の実質的な責任者として、装置の開発・データ解析を担当してきた。彼と共に新しいアイデアに基づいた宇宙塵検出器の開発研究を進めていく予定である。
|