1995 Fiscal Year Annual Research Report
ウィークボソン対生成過程における重いニュートリノの効果
Project/Area Number |
05640336
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Research Institution | OCHANOMIZU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
菅本 晶夫 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (70132686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 清 秋田短期大学, 商経科, 助教授 (80202117)
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Keywords | 重いニュートリノ / 電子・陽電子散乱 / ウィークボソン対生成 / 電弱バリオン生成 / 相転移ダイナミックス / ベクトル型クォーク模型 / CPの破れ / 超対称性模型 |
Research Abstract |
平成7年度には、以下の研究を遂行した。 1.電子・陽電子散乱におけるウィークボソン対発生過程を用いたCPの破れの研究を次の2つの模型で遂行した。(1)ベクトル型の重いダウンタイプ・クォークを持つ標準模型を越えた模型を用いて、W^+W^-に関する3点の形状因子へのCPの破れを評価した。Zを媒介とするフレーバーを破る中性カレント(FCNC)の効果により、1ループからCPの破れが発生するが、その大きさは10^<-9>で小さいことが分かった。(2)「ソフトに破れた超対称性を持つ標準模型」では、超対称性を破る項に標準模型にない余分のCPの破れがある。この効果の為に、チャージ-ノやニュートラリーノのループから10^<-(4〜5)>程度の大きなCPの破れを発見した。この値はLEP200や次期線形加速器を用いた、超対称性によるCPの破れの観測に期待を抱かせるであろう。 4.ベクトル型の重いクォークを導入する模型を用いて宇宙のバリオン生成問題を研究した。500GeV程度のアップタイプのベクトル型クォークが存在する場合、そのクォークとトップ・クォーク間の質量に関する混合行列に、バブルが存在する場合には、位置に依存するCPの位相が現われる。このとき、バブルの壁から生成されるハイパー荷電を評価した。この機構を用いても宇宙のバリオン数を説明できる可能性がある。又この模型の電弱相転移を有限温度の場の理論を用いて詳しく調べて、次相転移となる条件を求めた。 5.大気圏で発生するミューオン型のニュートリノと電子型のニュートリノの個数比に関する「大気ニュートリノ問題」を調べた。3世代のニュートリノに関して、地球の物質効果の影響を見ることが出来るかどうかに関しては、今後更に詳しく検討する予定である。
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[Publications] A.Yamaguchi et al.: "Elctroweak baryogenesis and the phasetransition dyramics" Mod.Phrs.Lett.A. A9. 2599-2610 (1994)
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[Publications] Y.Katsuki et al.: "Majoranao versus Dirac in e^+e^-→W^+W^- thwugh radiative corrections" Phys.Lett.B. B354. 363-370 (1995)
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[Publications] A.Sugamoto: "in the “Prec of the 23nd INS in the national Sympasium or nuclear physics and partiole physics with morbeams in the 1Gevle regin" Univeusal Acadlmy Press,INC.-Tokyo.Eds.S.Sugimoto and O.Hashimoto, 143-152 (1995)