1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640337
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
末松 大二郎 金沢大学, 理学部, 講師 (90206384)
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Keywords | 超弦理論 / 超対称性 / 統一理論 |
Research Abstract |
今年度の研究では、以下の項目を中心に研究を進めた。 1.超弦理論から期待される軟らかい超対称性の破れの持つ一般的な性質の解明、及びそれから予想されるフレーバーの変化を伴う中性カレントやCP対称性を破る位相との関連の検討。この研究から、ゲージシングレット粒子の導入による超対称標準模型の拡張は非常に興味深い性質を持つことが明らかになりつつある。また、超弦理論に特有な軟らかい超対称性の破れに基づき、ゲージ結合常数の統一について調べ、統一についての新たな可能性が存在することが分かった。 2.軟らかい超対称性の破れを種とする弱い相互作用のエネルギー領域に於ける輻射補正によるゲージ対称性の破れの繰り込み群を使った解析、特に余分なゲージ対称性のある場合のゲージ粒子とトップクォークの質量の検討。この解析により、余分なU(1)対称性のある模型に於いては、余分なゲージ粒子の質量とトップクォークの質量の間に興味深い関係が存在することが分かってきた。 3.超弦理論において、太陽ニュートリノ問題を説明できる程度の小さなニュートリノ質量の実現は残された大きな現象論的課題のひとつである。この問題を検討し、非常に有望と思われる模型を提案するとともに、太陽及び大気ニュートリノ問題を共に解決できる可能性を関連した枠組みの中で調べ、同時説明を可能にする機構を提案した。 以上の課題は当初の研究目的の重要な部分である。上記の項目に関する研究成果の一部をすでに口頭発表、研究論文で公表した。現在新たな成果を論文として準備しつつある。
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Research Products
(1 results)