1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640345
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
静谷 謙一 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (50154216)
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Keywords | ゲージ理論 / 量子ホール効果 / アハロノフ・ボーム効果 / アハロノフ・キャッシャー効果 / 端電流 / チャーン・サイモン項 |
Research Abstract |
超伝導や超流動のような巨視的なスケールで起こる量子力学的輸送現象は力学系の対称性との関わりが深く、その記述にゲージ理論が有効に適用できる場合が少なくない。近年、量子ホール効果などの研究を通して、物性物理におけるゲージ場(的な自由度)の役割が広く認識されるようになった。このような現状を踏まえ,平成5年度には主として量子ホール効果に関わるいくつかの問題をゲージ理論の観点から研究した。その内容は以下の通りである. 1.整数および分数量子ホール効果との関連から、量子効果としてチャーン・サイモン項が誘導される機構に関心が持たれている。チャーン・サイモン項の誘導は物理的な観点からは外電磁場に対する量子的な真空(デイラックの海)の応答として理解できることを示す論文を発表した。 2.アハロノフ・ボーム効果とアハロノフ・キャッシャー効果が電磁場の角運動量と密接に関係していることを指摘する論文を発表した。 3.磁場中の電子を記述する集団場理論を以前に構築したが、さらに、有限の大きさのホール電子系が記述できるようにこの理論の拡張を行ない、ホール電子系の端を流れる電流の力学を考察した。局在が原因となって系の端を流れるホール電流の描像が得られることを指摘する論文を現在投稿中である。
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[Publications] J.Maeda: "The Aharonov-Bohm and Aharonov-Casher effects and electromagnetic angular momentum" Zeitschrift fur Physik. C60. 265-270 (1993)
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[Publications] N.Fumita: "Induced Chern-Simons terms and intrinsic polarization of the Dirac sea in 1+2 dimensions" Physical Review D. (掲載予定). (1994)