1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640357
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
加藤 潔 工学院大学, 工学部, 助教授 (50152707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 宣也 工学院大学, 工学部, 教授 (50100342)
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Keywords | 素粒子の標準模型 / 物理でのエキスパートシステム / ファインマン振幅自動計算 / 電弱理論の輻射補正 / ヒッグス粒子 / 電子陽電子衝突実験 |
Research Abstract |
本研究の目的は標準模型における高次補正の計算を自動的に行うシステムを開発することにある。平成5年度は電弱理論の1ループ振幅の数値計算を自動的に行うために必要なシステムの基礎的道具を行った。 まず、4点関数までの任意の質量あるいは外線運動量の場合にその数値を与えるような1ループ積分の数値計算法が開発された。また、電弱理論の質量殻上でのくりこみ処方に基づくくりこみ項の関数をコーディングした。 ループ振幅とツリー振幅の積は数式処理システムREDUCEあるいはFORMにより処理されて対応するFORTRANプログラムを自動的に生成する。このプログラムは、上述の1ループ積分の数値計算ライブラリおよびくりこみ関数ライブラリと結合されて、必要な行列要素の数値を与える。 具体的な例として、e^+e^-→HZ過程の計算を行った。この際検証のため、97個のすべてのダイアグラムについて手計算で生成した振幅と比べ、グラフごとに一致をみた。これは開発されたシステムが正しく動作していることの証拠である。 システムを拡張するために、5点あるいは6点の1ループ積分のライブラリを作成する必要があり、このための予備的研究が進められている。また、現在作成されたくりこみ関数のライブラリは電弱理論のうちスカラーやゴースト部分が不備であるのでその拡充も進められている。システム全体の制御としては、自動的にくりこみをチェックして正しく動作していることを確認する機能や、ゲージ不変性などから、結果の自己点検が行えるようにする必要があり、このような機能をもつことができるように開発が行われている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kato,K 他: "Toward an Automatic Computation of Cross Section Including One-loop Diagrams" New Computing Technigues in Physises Research. III. 459-466 (1994)
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[Publications] 加藤,潔: "ファインマン振幅の自動計算" コンピュータと教育(情報処理学会). 29-2. 9-17 (1993)