1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640357
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
加藤 潔 工学院大学, 工学部, 教授 (50152707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 宣也 工学院大学, 工学部, 教授 (50100342)
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Keywords | 素粒子の標準模型 / 物理のエキスパートシステム / ファイマン振幅自動計算 / 電弱理論の輻射補正 / 電子陽電子衝突実験 / ヒッグス粒子 |
Research Abstract |
本研究では標準模型における高次補正の計算を自動的に行うシステムを開発することを目標としている。平成7年度においては以下のような仕事を行った。 1)1ループ積分ライブラリは昨年度までに、2体→2体反応についての整備を行ったが、より粒子数の大きい過程を扱うには4点関数まででは不備である。近い将来における目標を、Wボソンの質量や性質を正確に調べるために不可欠である、電子陽電子衝突での4体フェルミ粒子生成過程とし、そのために必要な5点・6点関数の開発を開始した。これはまだ未了であるが、いくつかの部分はできあがっており、完成後上記の過程について調べる予定である。 2)振幅がγ_5を含む場合、計算結果にあいまいさが生じることがある。アノマリーを含まない場合には、行列のトレースをとる際、振幅内の特定の要素の位置を固定して計算すれば問題は生じない。このような条件を課して振幅の自動生成を行い、e^+e^-→W+W-過程で実際に、この手法が有効なことを確認した。 3)2ループ積分では任意の質量や外線の運動量に対して求めることができるような手法をスカラー積分に対して開発し、3点関数までは、従来結果が得られていなかった、交差ダイアグラムも含めて計算が可能となった。 4)2ツ-プ自動計算システムの全体の枠組みを作るための例をして、μ粒子の異常磁気能率の2ループ電弱補正の計算を行った。QED的なダイグラム群についてはすべて計算が完了し、今までの結果と一致している。それ以外のダイアグラムについても計算が進行しており、近く最終的な結果を得られる見通しがついている。
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[Publications] 加藤潔,金子敏明: "ファインマン振幅の自動計算" 日本物理学会誌.50. 533-540 (1995)
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[Publications] K. Kato他: "Status of GRACE System: automatic compuation of cross sections." Praceedings of IX-th Interna-tional Workshop on High Energy Physics and Quantum-Field Theory. 227-231 (1995)
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[Publications] J. Fujimoto,他: "Numerical approach to two-loop three point functions with masses." International Jounal of Modern Physics C. 6. 525-530 (1995)
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[Publications] T. Kanako, N. Nakazawa: "Automatic calculation of 2-loop weak corrections to muon anomalous magnetic moment." Proceedings of AI'96.(1996)