1995 Fiscal Year Annual Research Report
動的フォークの効果をとり入れた格子色力学によるハドロン行列要素の計算
Project/Area Number |
05640363
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Research Institution | National Laboratory for High Energy Physics |
Principal Investigator |
大川 正典 高エネルギー物理学研究所, 物理研究部, 助教授 (00168874)
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Keywords | 格子色力学 / ハドロン行列要素 |
Research Abstract |
格子量子色力学では数値計算を可能にするため4次元時空を格子間隔がaの4次元格子に離散化するのであるが、このために種々の系統誤差を生じる。本年度はこれら系統誤差のなかで、格子間隔に比例したO(a)誤差効果、およびクォーク質量に比例したO(ma)について研究を行った。 ・Kメソンのバッグ定数B_Kの計算には大きな格子間隔依存性があることが分かっている。連続極限でのB_Kの値を得るにはこの効果を精度良く評価する必要があるが、従来行われてきた計算では格子間隔が大きすぎ精度良い研究はできない。我々は従来にくらべ格子間隔を二分の一以下にした大規模計算を系統的に行い、この効果の定量的な評価を行った。 ・現在の計算機の能力では格子間隔aの逆をa^<-1>=2〜4GeVより大きくする事は出来ない。bクォークの質量m_bは約5GeVと格子間隔a^<-1>より大きいので、Bメソンの崩壊定数f_Bには非常に大きなO(m_ba)効果がある。我々は、この効果を評価するために、格子間隔a,クォーク質量m_bを系統的に変えた計算を行ない、従来用いられてきたポール質量m_bのかわりにカイネティック質量m_bを用いればO(m_ba)は小さい事を示した。
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