1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640413
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石塚 守 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (30184542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天谷 喜一 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (80029503)
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Keywords | 高感度磁気測定 / 超高圧 / ダイヤモンドアンビルセル / 位置微分検出 / SQUID磁束計 |
Research Abstract |
数万気圧以上の超高圧力下での高感度磁気測定をDAC(ダイヤモンド・アンビル・セル)中で実現することを目標に本課題はスタートした。本年度は我々が見出した新しい検出法“SQUID磁束計を用いた位置微分検出法"をDAC中で実用化することを目指した。以下にその成果を記す。 1.専用のDACに位置微分検出システムを組合せたシステムを完成させて、低温での安定した動作を確認した。ヒート・サイクルによる検出コイルの位置の再現性は、測定の結果±0.05mm以内であることが判った。この結果は検出コイルの位置設定のマージン内(±0.1mm)に十分収まる。 2.磁化の測定精度を向上させるためには、印加磁場による磁場勾配を出来るだけ小さくする必要がある。このために、マグネット内の磁場勾配を電気的に制御する方法を考案した。即ち、マグネットを軸方向にわずかにずらした2つのソレノイドで構成して、それぞれに流す電流の比を変えることにより磁場勾配を移動させる方法である。期待通りの動作は確認したが、移動範囲が狭いためまだ検討の余地を残す。これと平行して検出コイルのバランスを向上させる試みも行った。現在、初期のコイルと比較して一桁以上良いものが出来ている。 3.システムの動作のテスト試料としてEuSeを選び、磁化の温度変化(1.4〜30K)を測定した。常圧、1万気圧の結果は従来発表されているデータよりもSN比が一桁以上も良いことがわかった。また、1万2千気圧までのデータしか発表されていなかったが、今回、5万気圧まで測定点を延ばすことが出来た。更にEuTeを測定した。この物質は高圧下で反強磁性から強磁性への転移が予測されていたが、実験的には確認されていなかった。今回の測定で初めて、7万気圧付近で強磁性相へ転移することが確認出来た。
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Research Products
(1 results)