1993 Fiscal Year Annual Research Report
粉粒体における異径粒子の分離現象の分子動力学法による研究
Project/Area Number |
05640440
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
大月 俊也 福井大学, 工学部, 助教授 (10203845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 光也 福井大学, 工学部, 教務職員 (40227179)
岩田 一良 福井大学, 工学部, 教授 (00020230)
林 明久 福井大学, 工学部, 助教授 (80208610)
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Keywords | 分子動力学 / 粉粒体 / 偏析 |
Research Abstract |
平成5年度の研究では、プログラムの改良により約3倍、ワークステーションの高性能化に伴い約3倍、合計1桁程度の計算速度の向上に成功し、従来のシミュレーションでは粒子数は100個程度であったのに比べ、1000個以上の粒子数のシミュレーションが可能になった。これにより有限サイズ効果を検証し、従来得られていた結果を定量的に確認することができた。 次に、定常状態での大きな粒子の位置・速度分布や速度相関関数を測定した。その結果、(1)粒子の高さ分布の幅は粒径の増加とともに狭くなり、粒子の感じる有効ポテンシャルの強さは(粒径比-1)に比例すること、(2)速度分布はほぼマクスウェル分布で表されること、(3)速度相関関数は減衰運動するが、その周期は粒径や密度にはほとんど依存せず反発および摩擦係数にのみ強く依存して反発係数が小さくなるにつれて周期は短くなること、振動の振幅は粒径比が大きくなるにつれて増大し相関は強くなること、などが明らかになった。 最後に、今まで横方向には周期的境界条件を用いていたが、左右にも固定壁を置いた場合の計算を行ない、周期的境界条件下では見られなかった対流が生じることを確認したが、特にその方向は側壁の摩擦係数の大小により逆転することが分かった。そこで摩擦係数の依存性を詳しく調べ、側壁の摩擦係数が粒子同士の摩擦係数より大きい場合は側壁付近で下降する向きの対流が生じ、逆の場合は壁ぎわで上昇する流れが引き起こされることを明らかにした。また、摩擦係数が大きい場合に側壁が粒子に及ぼすずり応力を計算し、その方向や大きさは対流の向きや強さにほぼ対応することがわかった。さらにここでは1回振動させた後しばらく静止期間を置くことにより容器を振動させる方法を変えてシミュレーションを行い、この静止期間の取り方は異径粒子の位置に大きな影響を及ぼすことを明らかにした。
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