1993 Fiscal Year Annual Research Report
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05640450
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 文彦 東京農工大学, 工学部, 教授 (50107695)
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Keywords | 熱可逆性ゲル / ゾル・ゲル転移 / 相図 / 三重臨界点 / 架橋 / 水和 / 再帰的相分離 / ミクロ相分離 |
Research Abstract |
2成分可逆ゲルの相図の統計力学による研究を行ない,相図描画の計算機プログラムを開発している.ゲル化,相分離,ミクロ相形成の3者の競合による高次の臨界現象に注目し,共存曲線,ゾスピノダル,ゾル/ゲル転移線,ミクロ相分離線の交差の仕方を調べた.非平衡モルフォロジーの研究も行なっている. 1.高分子の会合相互作用による相形成現象について,ダイマー形成,溶媒和,ゲル化を中心に総説を書いた. 2.2成分ゲルの代表例として,相互貫入型高分子ネットワーク,交替型ネットワーク,ランダムネットワークをとりあげ,マクロ,ミクロ相分離とゲル化との競合の様子を調べた.これまでに展開してきた「会合溶液理論」をもとにした,理論解析である. 3.水溶液高分子のゲル化の問題の研究を始めた.水和(水分子が水素結合により高分子に着くこと)と高分子間の直接水素結合との相対的な強さにより,いろんなタイプのゲル化がおこることが理解できた.とくに,水和が強い場合には,加熱によりゲル化がおこるような,再帰的ゾル/ゲル転移が導かれる. 4.以上のすべての場合を含むような,理論計算による相図の予測システムを,本テーマ補助金で購入したワークステーション(HP715/33)上で,C言語を用いて開発している.今後は,2つの成分,会合定数,分子量をインプットすれば,相図が自動的に現われるようなシステムに発展させることを計画している.これにより相図のデータベス作成を試みる.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 田中文彦: "高分子の可逆相形成:相律とダイナミックス" 表面. 31. 483-494 (1993)
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[Publications] 田中文彦: "熱可逆性ゲル" 日本物理学会誌. 48. 546-549 (1993)
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[Publications] 田中文彦: "複雑液体の現状と将来" 固体物理. 3月号. (1994)
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[Publications] F.Tanaka & M.Ishida: "Phase Formation of Two-Component Physical Gels" Physica A. 3月号. (1994)
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[Publications] 田中文彦: "高分子の相図予測" 高分子. 43 5月号. (1994)
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[Publications] F.Tanaka & W.H.Stockmuyer: "Thermorerersible Gelation with Junctions of Variable Multiplicity" Macromolecules. 26 5月号. (1994)
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[Publications] 田中文彦: "高分子の物理学" 裳華房, 170 (1994)