1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640456
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阪部 周二 大阪大学, 工学部, 助手 (50153903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井沢 靖和 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 教授 (10029316)
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Keywords | 電荷移行 / 断面積 / ビーム直交 / レーザー |
Research Abstract |
原子・分子衝突物理のなかでも重要なものの一つである電荷移行衝突の断面積を測定し、データベースを築き上げる端緒を開くことを本研究の目的としている。今日までの非常に多くの研究が行われたにのかかわらず、対象とされてきた元素が水素、希ガス、アルカリ金属といった、実験的、理論的取扱の容易なものに限られている。本研究では、過去に調べられてきた非遷移元素の対称型電荷移行断面積のデータを整理することから始める。遷移元素については、その断面積を測定できるビーム直交衝突装置を開発し、遷移元素の一つである希土族元素の断面積の測定を行う、これらの結果をもとに、非遷移元素、遷移元素の断面積の元素構造依存性を定性的に解析し、両元素の適用できるような計算方法を確立する。最終的には、全元素の断面積を供することのできる簡易公式を見い出すことを目標とする。 昨年度に行った直交ビーム衝突装置の精度向上を目指して、装置の改良を行った.これにより、衝突原子、イオンのエネルギー状態を制御することが、可能となった。装置性能確認のため、報告例のあるカルシウムの断面積測定を行った結果、衝突エネルギー依存性に微細な構造があることが明らかとなり、本装置が高精度な測定を可能にすることが確信された。金属の蒸発特性と光電離特性を調べ、原子ビームを生成するのに適した電子銃の条件、及びイオン生成に適したレーザー波長を調査した後、この改良型ビーム直交装置を用いて希土族元素の電荷移行衝突断面積の測定を開始した。原子構造が複雑な元素として、ガドリニウムを選び断面積の衝突速度依存性を詳しく調べた.電荷移行衝突物理の詳細を調べる端緒を開いた。
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Research Products
(1 results)