1994 Fiscal Year Annual Research Report
希ガスクラスターにおける励起子生成・破壊過程の実験的研究
Project/Area Number |
05640458
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
平山 孝人 学習院大学, 理学部, 助手 (40218821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 一郎 学習院大学, 理学部, 教授 (30125976)
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Keywords | 希ガスクラスター / 励起子 / 電子エネルギー損失分光 |
Research Abstract |
本研究に必要な備品は初年度(平成5年度)の購入済みのため、本年度の補助金は、真空装置の保守部品、クライオポンプ差動排気型分子線クラスター源の運転に必要な液体ヘリウム、計測機器の保守等の消耗品の購入に充てた。 本年度中に得られた成果は以下の通りである。 ・クラスタービーム強度の増加と背圧の低下を目的として排気系の改造を行い、より高い澱み圧力の使用が可能になった。 ・マイクロチャンネルプレートと位置敏感検出器を用いた電子エネルギー損失分光装置を完成した。Kr原子の電子エネルギー損失スペクトルをモニターとして、分光装置の高分解能化のための調整を行った。 ・サイズが数十原子数程度のKrクラスターを標的とした損失スペクトルの測定を行い、クラスターの電子励起状態に起因するエネルギーレベルの広がりとそのシフトが観察できた。今後、電子エネルギー損失スペクトルのサイズ依存性を測定してバルク励起子の出現サイズを決定し、表面励起子および高次の各励起子のサイズ依存性の分離観測を試みる予定である。 ・希ガスクラスターの安定な負イオンの存在を確認する目的で、クラスターへの電子付着用低エネルギー(2〜3eV)電子源、および負クラスターイオンの検出器を設計・製作し、動作の確認を行った。サイズが数十原子程度のKrクラスターを標的として実験を行い、この程度のサイズでは負イオンが安定に存在しないことを確認した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Hirayama: "Supersonic Cluster Beam Source Using a Differential Cryopuming system" Rev.Sci.Instrum.64. 962-965 (1993)
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[Publications] I.Arakawa: "Angular and Kinetic Energy Distributions of the Desorption of Ne Metastable Induced by Excitons at the smface of Solid Ne" Nucl.Instrum.Meth.Phys.Res.B. 印刷中. (1995)