1993 Fiscal Year Annual Research Report
外部磁場変化により海洋中に誘導される電流を考慮した地球内部電気伝導度の研究
Project/Area Number |
05640468
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹田 雅彦 京都大学, 理学部, 教務職員 (30236484)
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Keywords | 外部磁場変化 / 海洋電流 / 誘導電流 / 地球内部電気伝導度 |
Research Abstract |
まず、シミュレーションにより海洋中の誘導電流とそれによる地上の磁場変化を求めた。プログラムは、導入したパソコン上で開発し、本計算はパソコンを端末として、大型計算機センターのベクトルプロセッサを用いて行った。その主な成果は以下の通りである。 1.1時間-1週間の周期のDst場と呼ばれる地球外部擾乱磁場が全地球的な大規模のスケールで海洋-マントル系に誘導する全地球的な地球内部場を求めた。その結果、数日程度までの周期では、海洋中に誘導される電流の地球内部場への寄与は無視できないことが見いだされた。 2.今までの、大規模な地形のみを考慮した地磁気Sq場によって海洋中に誘導された誘導磁場を外部Sq場に加えた磁場による誘導として、日本近傍の海陸の微細分布を考慮にいれた誘導計算を行い、海陸分布のみを考慮した場合の標準的な磁場変化を求めた。その結果海陸分布のみでは中部日本異常を説明できないことが確かめられた。 3.Dst場についてもSq場の場合と同様に海陸の微細分布を考慮にいれた誘導計算を行った。短い周期の変動については、その際自己誘導の効果が重要になる可能性があるので、自己誘導の効果を入れた局所誘導電流評価プログラムを新たに開発しその効果を検証した。その結果、3時間程度以下の周期の場合には、自己誘導の効果が重要になるが、6時間程度以上の周期ではほとんど効果を及ぼさないことが示された。 またデータ解析については、地磁気1時間値のデジタルデータの集積のほか、本の形式のデータの人手入力による計算機可読化も行った。現在はデータ解析に用いのに必要な、データのチェックを行っているところであり、本格的な解析は平成6年度に行う予定である。
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