1994 Fiscal Year Annual Research Report
ブリュンヌ期火山岩の古地磁気強度に基づく地球双極子磁場・非双極子磁場の研究
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05640471
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Research Institution | TOKAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
綱川 秀夫 東海大学, 開発技術研究所, 助教授 (40163852)
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Keywords | 古地磁気強度 / ブリュンヌ期 / 双極子磁場 / 非双極子磁場 / 地磁気逆転 |
Research Abstract |
本年度は主として第四紀火山岩に二回加熱ショー法を適用した。試料は、大山火山(7地点8試料、安山岩と石英安山岩)、アンデス地域(4地点14試料、安山岩)、中国大同地域の火山岩(10地点10試料、玄武岩)である。32試料いずれもブリュンヌ期(約70万年前から現在)に生成した溶岩である。2回加熱でのTRM1/TRM2^▼の傾きが1±0.05におさまるものは全部で13試料であり、成功率は(13)/(32)、約4割であった。 今回の研究で得られた古地磁気強度は現在の磁場強度の半分以下であるものが多い一方、2倍程度の強度を示すものもある。VDMに換算してもこの傾向が見られ、これまで平均的なVDM値と思われている8×10^<22>Am^2付近にはあまり分布せず、その1/2および2倍付近に分布する。したがって、古地磁気強度(第一次近似としては双極子磁場強度)は、正規分布や対数正規分布のような一つの平均値と偏差をもった単純な変化ではなく、2つのピークを示すような統計母集団である可能性がある。この観点からこれまでのデータベース(Tanaka & Kono,1994)を見ると、過去10Maの古地磁気強度頻度分布は2つの正規分布の重ね合せとしてよく説明できることがわかる。2倍以上の古地磁気強度変化を非双極子磁場の影響で説明することは困難であり、双極子磁場そのものの変化と思われる。このことは古地磁気学的にもダイナモ理論でも基本的かつ新たな知見であり、研究を一層進め確認しなくてはならない。 さらに、本研究では磁場逆転時の非双極子・双極子磁場の相対的強度の変化を地磁気方向(堆積岩の測定)の周期的変化から議論した。結果として100年程度の短周期変化が卓越しており、逆転やリバウンドも200-300年程度で完了することから、逆転時の地磁気は10^2年オーダーの変化が特徴的であろうと考えられる。
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[Publications] H.Tsunakawa: "The Shaw method of palaeointensity determinations and its application to recent volcanic rocks." Geophys J.Int.118. 781-787 (1994)
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[Publications] H.Tsunakawa: "About 100 year directional variations in the Matuyama-Brunhes transition field inferred from the sedimentary records in the Boso Peniusula,Japan" J.Geomag.Geoalectr.47(in press). (1995)