1993 Fiscal Year Annual Research Report
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05640472
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
若土 正曉 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60002101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深町 康 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (20250508)
大島 慶一郎 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (30185251)
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Keywords | 日本海 / 底層水形成 / 海氷生成 / 地球資源衛星 / 合成開口レーダ / 沿岸ポリニヤ / 間宮海峡 / ブライン排出 |
Research Abstract |
本研究の目的は、海象データの解析、人工衛星からの画像データによる氷状観測、さらには数値実験などによって、日本海底層水の形成機構を明らかにすることである。特に今回初めて得られたヨーロッパの地球資源衛星(ERS-1)からの合成開口レーダ(SAR)画像をはじめ、AVHRRの可視・赤外画像などを解析することによって、日本海底層水形成に本質的な役割を果たしていると考えられている、間宮海峡やシベリヤ沿岸沖の海氷生成過程についての定量的な情報を得る。幸いにも、今回解析したデータの中には、明らかに気象条件の異なる場合(強風と微風)が含まれていたので、両者を比較検討することによって、以下のような風による海氷過程の違いを観測することが出来た。まず、北風の強い時には、シベリヤ沿岸沖に形成した沿岸ポリニヤ域で、急速なフラジルアイスの生成と風による風下への吹き流しが大規模に起こっていることが観測された。一方、風がほとんど無かった時には、漂流ベクトルを求めた画像解析によって、氷が5〜15km/dayの速度で北向きに移動していることが観測された。この微風条件下にもかかわらず北向きの漂流は、連続性から、その補償流として、やや深い層を南向きに流れるプリュームが存在してるはずであることを示唆している。このプリュームは海氷生成にともなって排出されるブライン(高塩分水)によってもたらされていると考えられる。2層モデルによる数値実験を行った結果によると、上層の北流に対して、下層では、地球の自転効果によるシベリヤ沿岸に沿った南下流が存在することを示唆した。その南下流は、沿岸ポリニヤ域での効率のよいフラジルアイス生成にともなうブライン排出効果によって促進されることもわかった。本研究によって、定性的ではあるが、間宮海峡、特にシベリヤ沿岸沖に形成した沿岸ポリニヤ域の急速海氷生産にともなうブライン排出が、日本海底層水形成に大きく寄与していることが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.WAKATSUCHI: "Observations of a Street of Cyclonic Eddies in the Indian Ocean Sector of the Antarctic Divergence" J.Geophys.Res.99(in press). (1994)
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[Publications] K.I.OHSHIMA: "Step-like Structure in Temperature and Salinity Profiles,observed near Icebergs Trapped by Fast Ice,Antarctic" J.Oceanogr.50(in press). (1994)
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[Publications] A.HONDA: "The Roles of Okhotsk Sea Ice and Wind Field on Air Temperature Variations in Winter Hokkaido" Proc.NIPR Symp.Polar Meteorol.Glaciol.8(in press). (1994)
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[Publications] S.USHIO: "A Laboratory Study on Supercooling and Frazil Ice Production Processes in Winter Coastal Polynyas" J.Geophys.Res.98(C11). 20321-20328 (1993)
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[Publications] T.KIKUCHI: "A Preliminary Study on Geosat Altimeter Observation in the Southern Ocean" Proc.NIPR Symp.Polar Meteorol.Glaciol.7. 41-50 (1993)