1993 Fiscal Year Annual Research Report
火成岩・変成岩に含まれるCO_2流体包有物の起源-炭素同位体比による研究
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05640528
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森清 寿郎 信州大学, 理学部, 助教授 (90115379)
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Keywords | 流体包有物 / CO2 / 炭素同位体比 / ペグマタイト / 石英脈 |
Research Abstract |
今年度は火成岩については花崗岩ペグマタイトからの試料、変成岩については三波川変成岩の石英脈について、流体包有物の観察と炭素同位体の分析を行った。(1)ペグマタイト中のCO2流体包有物 ペグマタイトのCO2流体包有物の炭素同位体比を研究する目的は、花崗岩マグマに含まれるCO2の起源を探ることである。特にイルメナイト系列花崗岩とマグネタイト系列を比較し、堆積物混成の影響がδ^<13>C値に現れていないかどうかを検討した。分析したイルメナイト系列のペグマタイトは、福島県石川(-12.1〜-6.5)、茨城県妙見山(-15.4〜-9.3)、島根県馬谷城山(-19.7〜-12.1)、山梨県黒平(-11.8)、三重県宮妻峡(-17.7〜-12.7)である。()内はδ^<13>C値。一方、マグネタイト系列では山梨県乙女鉱山(-10.7)、長野県有明(-11.9〜-11.5)、岩手県崎浜(-12.1〜-6.5)、長野県和田(-10.9)、福岡県長垂(-21.3〜-13.4)からのペグマタイトを検討した。岩手県崎浜のCO2流体包有物のδ^<13>C値は他の岩体よりも有意に重い値が得られたこと、イルメナイト系列では-20〜-15%前後の軽い値を示すものがあること、が判明したが、現在までのデータからでは両系列ペグマタイトのδ^<13>C値が系統的に異なっているとは結論できない。典型的なマグネタイト系列ペグマタイトの試料が得られなかったので、今後さらにそれらのデータを増やす必要がある。(2)変成岩中のCO2流体包有物 高知県汗見川ぞいの三波川変成岩に産する石英脈の流体包有物の性質を研究した。水性流体包有物が卓越し、CO2流体包有物は高変成度域(黒雲母帯)から得られた試料にのみ認められた。泥質変成岩の基質に方解石を多産するにもかかわらずCO2流体包有物の産出がまれな事は、領家帯と全く対照的で、興味ある事実である。(3)新しい分析 流体包有物中のCO2,CH4の存在を顕微FT-IRをもちいて確認した。流体包有物中の水性流体の陰イオン組成を、イオンクロマトグラフにより分析した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 森清寿郎: "北部木曽-伊那地方の領家変成岩に認められる磁硫鉄鉱-黄銅鉱の共生について" 岩鉱. 88. 307-312 (1993)
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[Publications] 森清寿郎: "ガス組成分析と安定同位体比測定のための,流体包有物からの流体" 地熱に関する流体包有物研究会会誌. 4. 1-6 (1993)
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[Publications] Ishiga Hiroaki: "Oceanic pollution at the Permian-Triassic boundary in pellagic condition from carbon and sulfur stable isotope excursi" Bulletin of the Geological Survey of Japan. 44. 721-726 (1993)
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[Publications] 森清寿郎: "北上山地,ペルム系登米統の頁岩中に産する含燐酸塩岩・炭酸塩岩の安定同位体による研究" 地球科学. 48. (1994)