1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640538
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
上原 誠一郎 九州大学, 理学部, 助手 (70158773)
|
Keywords | 高分解能電子顕微鏡 / 分析電子顕微鏡 / アンチゴライト / カリオピライト / 超構造 / 化学組成 / 蛇紋岩 |
Research Abstract |
九州大学超高圧電子顕微鏡室に設置してある超高分解能透過電子顕微鏡を用いて2,3のアンチゴライト・カリオピライトの超構造の高分解能観察を行なった.今回実験に用いた超高分解能電子顕微鏡はSi-O,Mg-Oなどの結合距離に近い点分解能(0.17nm)を有している.実際に撮影できたHRTEM像の光学的フーリエ変換を行ってみると,ほぼ0.2nm-0.15nm程度の情報が得られていることがわかった.従来のHRTEMを用いた鉱物の研究では得られていない分解能で観察ができることが明らかになった.さらに,高分解能像観察結果を解釈するために計算機を用いて,マルチスライス法によりシミュレーション像を計算した.それらを観察像との比較し,適切な観察条件を選べば,ほぼ,原子スケールの観察が可能であることがわかった。 しかしながら、今回検討した試料のように電子線損傷が激しい鉱物では撮影条件(焦点はずれ量)を変化させた一連の像を得ることが非常に困難であった.これでは原子位置を一義的に決定し得ない場合を生じることになるが、パーソナルコンピューターなどで可能な画像処理を用いてできる限り正確に定量的に読み取り対応したい.そして,原子スケールの評価を行うための観察条件などの基礎的な研究を行い,新しい鉱物の組織観察法として確立したい.
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 上原誠一郎: "層状珪酸塩鉱物および関連鉱物研究における透過電子顕微鏡法" 鉱物学雑誌. 23. 111-125 (1994)
-
[Publications] Uehara,S.and Kamata,K.: "Antigorite with large supercell from Saganoseki,Oita Prefecture,Japan." Canadian Mineralogist. 32. 93-103 (1994)