1994 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカル錯体の可視・紫外高分解能分光と分子間ポテンシャルの決定
Project/Area Number |
05640559
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠藤 泰樹 東京大学, 教養学部, 助教授 (40106159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 康裕 東京大学, 教養学部, 助手 (60213708)
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Keywords | フリーラジカル / 分子錯体 / レーザー励起蛍光 / 超音波ジェット / 分子間ポテンシャル |
Research Abstract |
今年度は、初年度にほぼ完成していたYAGレーザー励起色素レーザーによるLIF分光システムを更に改良して、広範な分子種の分光が可能な装置とした。特に、色素レーザー光を倍周して、紫外光を使用できるようにしたことにより、これまで研究実績の積み重ねられている希ガス-OH錯体のレーザー励起蛍光の観測が可能になった。実際、パルス放電ノズルを使用して、アルゴンに希釈した水の放電でOHを生成し、近紫外域でスペクトルを観測したところ、単体のOHのスペクトルの間に、分子錯体Ar-OHのスペクトルを観測することができた。使用する放電ノズルの形状や、実験条件の細かな調整で、この分子錯体のスペクトルをかなり良いS/N比で観測することができた。現在、可視-紫外域で比較的強いLIFスペクトルを与える分子CN、CCN、C_2、C_3などのバンドオリジン付近を注意深く観測し、これらのラジカル種と希ガスとの分子錯体のスペクトルを捜しているところである。 これらの実験と並行してラジカル錯体の錯体内の大振幅運動を解析することのできるプログラムを開発した。ラジカル錯体の場合には、錯体内大振幅運動と不対電子の持つ軌道・スピン角運動量とが複雑に相互作用するため、エネルギー準位がかなり複雑なものとなる。本研究では、この大振幅運動を分子間ポテンシャルに束縛された自由回転モデルで取り扱い、ラジカル錯体の複雑なエネルギー準位構造を説明した。特に、ラジカル錯体に特有な超微細相互作用を正確に取り扱い、観測をスペクトルから、分子間ポテンシャルの異方向の情報が得られることを初めて示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Kohguchi,et al.,: "Pulsed-discharge nozzle Fourier-transform microwave spectroscopy of the HC_4O radical" J.Chem.Phys.101. 6463-6469 (1994)
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[Publications] Y.Hirahara,et al.: "Pulsed-discharge-nozzle Fourier-transform microwave spectroscopy of HC_3S(2II_r)HC_4S(2II_i)" J.Chem.Phys.101. 7342-7349 (1994)
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[Publications] Y.Endo,et al.: "PDN-FTMW spectroscopy of open-shell complexes" Faraday Discuss.97. 341-350 (1994)
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[Publications] Y.Ohshima,et al.: "Fourier-transform microwave spectroscopy of triplet carbon monoxides,C_2O,C_4O,C_6O,and C_8O" J.Chem.Phys.102. 1493-1500 (1995)
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[Publications] T.Ogata,et al.: "Rotational spectra and structures of carbon monoxides C_5O,C_7O,and C_9O" J.Am.Chem.Soc.(印刷中). (1995)
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[Publications] Y.Kasai,et al.: "Pure rotational of FeCO" J.Chem.Phys.(印刷中). (1995)