1993 Fiscal Year Annual Research Report
新奇及び機能性物質の構造研究(既知結晶構造に基づく理論計算の開発・改良)
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05640588
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
甲 千寿子 東北大学, 理学部, 助手 (10089782)
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Keywords | 新奇物質 / 機能性物質 / 分子構造 / 理論計算 / 既知結晶構造 |
Research Abstract |
本科学研究費の主たる購入品目は、研究室で理論計算が可能にすることを目的にコンピュータ(ワークステーション)を備品として購入した。本研究の対象としている有機化合物の理論計算は、分子力学(MM)、分子動力学(MD)および半経験的分子軌道法(MO)などの方法である。世界的に体形化されたプログラムは日本プログラム交換機構(JCPE)から購入し、計算機のセットアップを完了し、分子力学計算(MM3)と半経験的分子軌道法(MOPAC93)を導入した。 しかしながらオリジナルのプログラムでは連続的にコンフォメーション解析を行なうには多少煩雑である。現在、膨大な計算結果の処理を簡便化することを目的にプログラムの改定と、全体のエネルギーマップを描かせるプログラムを自作している段階である。 同時に、我々のX線結晶構造解析で得られた以下の分子に対して計算を応用してみた。 1)トリクロロスタニルケトンとトリクロロエチルスズ付加体の異常構造分子 2)ヘテロ芳香族をヘキサおよびペンタシラン鎖で架橋した環状化合物のコンフォメーション解析 3.シンプルエノエート分子のシス/トランスの安定性に関する解析 4)α、β、χ、ψ-不飽和ジオイックアシドエステルのコンフォメーション解析 一応、コンフォメーションの安定性に関して、実験事実を合理的に説明しうる計算結果が得られているが、結論をまとめ実績を報告するには類似化合物のX線解析とより多くの計算を必要とするので、成果については来年度の継続研究を期待している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Hayashi,M.Yamaguchi,M.Hirama,C.Kabuto,M.Ueno: "Structure of Adduct from α-Trichlorostannyl Ketone and Trichloroethynyltin a Direct Evidence for Carbostannylation of Alkynyl Metals" Chemistry Letters. 1881-1884 (1993)
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[Publications] C.Kabuto,K.Kabuto,Y.Sasaki,T.Nishiyama,K.Umakoshi: "Unusual Hexameric Structure in the Crystal of Sodium Propylrnrdiaminetetraacetoeuropium(III)" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.381-383 (1993)
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[Publications] A.Sekiguchi,T.Yatabe,C.Kabuto,H.Sakurai: "The “Missing" Haxasilaprizmane:Synthesis,X-ray Analysis,and Photochemical Reactions" J.Am.Chem.Soc.115. 5853-5854 (1993)
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[Publications] T.Sindo,M.Shindo,H.Ohnuma,C.Kabuto: "Crystal Structure of the Adduct of Thiourea with 2,6-Diethylnaphtalene" Bull.Chem.Soc.Jpn.66. 1914-1918 (1993)