1993 Fiscal Year Annual Research Report
1,1,2,2-テトラキス(9-トリプチシル)エチレン-分子造形と多重相関回転
Project/Area Number |
05640589
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
古賀 元 茨城大学, 理学部, 教授 (30007546)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 勇三 機器分析センター, 助教授 (10152969)
|
Keywords | 相関回転 / 1,1,2,2-テトラキス(9-トリプチシル)エチレン / 1,1,2,2-テトラキス(9-アントリル)エチレン / McMurry反応 / ビス(4,5,6,7-テトラヒドロイソベンゾフラン-2-イル)ケトン |
Research Abstract |
見かけ上込み合っているが歪みもなく,4つのトリプチシル基が同期して自由回転していると予想される1,1,2,2-テトラキス(9-トリプチシル)エチレンの合成を最終目標に,様々な試みを行った.残念ながら所期の目標を達成することは出来なかったが,以下にこれまでの主な結果,途中経過をまとめた.なお並行して相関回転の研究を進め,cis-1,2-ビス(9-トリプチシル)エチレン,ビス(9-トリプチシル)ケトン,ビス(9-トリプチシル)ホスフィン,ビス(9-トリプチシル)セレニド等のギアースリップの障壁を決定し,連結グループへの依存については更に知見を深めることが出来た.最初の化合物については既に論文として発表した. 1 ビス(9-アントリル)ケトン,(9-アントリル)(9-トリプチシル)ケトンの低原子価金属によるカップリングは旨く進行せず,ほとんどの場合原料回収に終わった. 2 チアジアゾリン,セレナジアゾリンを経由してテトラキス(9-アントリル)エチレンを得る試みは,必要な(文献既知の)ビス(9-アントリル)ジアゾメタンの合成が極めて低収率でしか再現出来ず,その改良が進行中である.最大の問題点は中間体のアントラセン2量体に縮合した構造のシクロプロパノールの酸化が低収率で,しかも生成したシクロプロパノンが求核体の攻撃を受けやすく,精製が難しいことにある. 3 ビス(4,5,6,7,-テトラヒドロイソベンゾフラン-2-イル)ケトンを鍵化合物とするルートについては,この化合物まで予定通りの経路でかなりの量を合成できた.低原子価金属によるカップリング条件の検討が進行している.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] S.Matsumiya: "Crystal Structure and Coductivity of Chiral Radical Ion Salts(Me_2ET)_2X" Bull.Chem.Soc.Jpn.66. 1449-1454 (1993)
-
[Publications] M.Takahashi: "Synthesis and Crystal Structure of 9,10-Disilatriptycene" J.Chem.Soc.Chem.Commun.1850-1852 (1993)
-
[Publications] Y.Kawada: "Preparation and Dynamic Gearing in cis-1,2-Bis(9-triptycyl)ethylene" Tetrahedron Lett.35. 139-142 (1994)