1993 Fiscal Year Annual Research Report
新奇ユニットの組合せ(C-N-C+N-C-C)によるピリミジン骨格合成法の開発
Project/Area Number |
05640605
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
有賀 正裕 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (90030395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西脇 永敏 大阪教育大学, 教学部, 助手 (30237763)
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Keywords | ニトロピリミジノン / 環変換反応 / ピリミジン骨格合成 / ジホルミルアミン |
Research Abstract |
標題研究目的を遂行するため,まず種々の脂肪族ケトン,環状ケトン,芳香族ケトンを用いて,アンモユア存在下での,3-メチル-5-ニトロ-4-ピリミジノンとの反応条件について検討した.その結果,溶媒としてメタノールあるいはアセトニトリルを用い,封管中100〜140℃で加熱することにより,環状ケトン及びアセトフェノンを用いた場合に対応する置換ピリミジンが生成することを確認した.このことは,ピリミジノン環のC(6)-N(1)-C(2)部分が活性なジホルミルアミンシントンとして作用し,C-N-CユニットとN-C-Cユニットの縮合という,新しい発想に基づく骨格単位の組合せによる,ピリミジン骨格の新規な一般的合成法の開発が可能であることを示している.さらに,ケトンのエナミンを用いることにより,収率を向上できることが判明し,反応条件の確定に関しては,一応の結果が得られた.以上のことから,所期の目的を達成しつつあるものと考える. しかし一方で,一部のケトンを除いて,収率が必ずしも満足のいくものではないため,更に反応条件改善に向けての検討が必要であろう.またケトンによっては,副生成物として,ピリドン誘導体の生成が確認された.このことは筆者の目指している反応とは異なった方向への反応が起きていることを示しており,さらに詳細な検討を必要とする.これ等の解決には反応機構の解明も必要との判断から,3-メチル-5-ニトロ-4-ピリミジノンと第一アミンとの反応についても検討を行い,アミンがピリミジノン環の6位を攻撃し環の解列を伴って,β-ニトロエナミンを骨格内に有するN-メチルアミド誘導体を与えることも判明した. 反応の普遍性と限界を探る目的の一つとして,N-置換基に電子的効果の違いについての検討を行うため,3-p-ニトロフェニル-5-ニトロ-4-ピリミジノンの合成を平行して行っている.
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