1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640623
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森田 靖 大阪大学, 理学部, 助手 (70230133)
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Keywords | ビフェノヒドロキノン / ビフェノキノン / キンヒドロン錯体 |
Research Abstract |
平成5年度は主にテトラキス(アルキルチオ)置換ビフェノヒドロキノン1b、1c、1dおよび1eの合成研究を行なった。母体のビフェノヒドロキノンにアルキルチオあるいはアリールチオ基が導入された化合物は未知物であり、これまでそのプロトンおよび電子供与性についての研究例は皆無である。従って本研究で合成できたテトラキス(アルキルチオ)置換体の諸性質に興味が持たれる。さらに、1b〜1eはビフェノキノン2の重要な合成前駆体であり、アルキルチオ置換されたキノン体自身およびそのキンヒドロン錯体の性質に注目が集まるところである。合成的にはテトラブロモ置換体1aに対するアルキルチオ求核剤の反応およびブロモフェノール誘導体3a(R=Me)のホモカップリング反応、フェノール誘導体3bの酸化的二量化反応が鍵反応となった。後者二つの反応においてはアルキルチオ置換された化合物の場合の反応報告例は少なく本研究の重要な知見の一つとなった。また、このフェノール誘導体の二量化反応をメチルチオおよびクロロ置換体4に適用することにより、一段階で対応するビフェノキノン誘導体に導く方法を現在検討している。このような置換様式を有するビフェノキノン体はCapto-Dative置換体として重要な標的化合物の一つである。
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