1993 Fiscal Year Annual Research Report
鉄硫黄クラスターのカプセル化-嵩高官能基付きカリックスアレン配位子の利用
Project/Area Number |
05640635
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山村 剛士 東京理科大学, 理学部, 助教授 (00114702)
|
Keywords | 高電位鉄硫黄蛋白質 / 鉄硫黄クラスター / カリックスアレーン / 酸化還元電位 / 擬可逆 / 電極反応速度 |
Research Abstract |
1.目的 本研究は、高電位鉄硫黄蛋白質HiPIPのモデル化を目指して、鉄硫黄クラスター全体を配位子で覆うことを企てた。そのため1)カリックスアレン誘導体チオレートを合成し、2)これを[Fe_4S^^S]^<2+>用いて鉄硫黄クラスターを覆い、その錯体の単離・精製を試みること、3)それらの電極反応性を検討すること、を計画した。 2.成果 1)9段のステップからなる配位子合成法を検討した。これに基づき配位子前駆体の大量合成を行い、それに成功した。 2)配位子前駆体のチオールの脱保護条件を検討した。 3)原料鉄硫黄クラスターとカリックス配位子との反応を高純度溶媒を用いて,高純度アルゴン下で行った。錯体とチオール配位子の取り扱いは全て触媒カラムを備えたグローブボックス中で行った。得られた化合物が確かにFe_4S_4]^<2+>クラスターを保持していることをコア抽出と分光学的性質から確認した。 4)電気化学測定を行い,酸化還元反応の検討を行った。その結果,本化合物はHiPIPと同様、極生溶媒中で、[Fe_4S_4]^<3+>/[Fe_4S_4]^<2+>カップルを用いて酸化還元反応を行うこと、又、その電極反応速度が遅く(擬可逆)、クラスターが目的通りカリックスアレーンチオールで覆われていることが示唆される結果をえた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Takeshi Yamamura: "A Square Planar NiS_4 Unit with an Aliphatic Thiolato‐Thioether Donor Set:A Carbon Monoxide Dehydrogenase Model Binds CO" J.Chem.Soc.Chem.Commun.1656-1658 (1993)
-
[Publications] Takeshi Yamamura: "Syntheses and Structures of NiS_2N_2 Compounds.IN,N'‐bis(omicron‐mercaptobenzyliden) ethylenediaminatojnickel(II),Ni(tsalen),and IN,N′‐bis(omicron‐meracaptobenzyl)ethylene" Bull.Chem.Soc.Jpn.66. 1-7 (1993)
-
[Publications] Takeshi Yamamura: "Synthesis of the Zinc Complex of Boc‐Glu‐Thr‐Ile‐His‐OMe:The Model Peptides for the Metal Binding Sites of Ribonucleotide Reductase" Peptide Chemistry 1992. 284-286 (1993)
-
[Publications] Takeshi Yamamura: "Conformation Analyses of(Cys‐Pro‐Leu‐Cys)Hg,[(Cys‐Pro‐Leu‐Cys)(SBu^t)Hg]^-,and [(Cys‐Pro‐Leu‐Cys)Zn(OMe)_2]:The Model Peptides for Cystein‐Containing Metal" Peptide Chemistry 1992. 281-283 (1993)