1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640637
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
稲垣 健治 聖隷クリストファー看護大学, 看護学部, 教授 (00080193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤木 紀美江 聖隷クリストファ看護大学, 看護学部, 助手
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Keywords | 白金錯体 / 抗癌活性 / シスプラチン / シクロヘキサンジアミン白金錯体 / 反応速度 / DNA / NMR / オリゴヌクレオチド |
Research Abstract |
DNAへの白金錯体の結合の機序を明らかにする目的でデザインした非対称シスプラチン誘導体およびシクロヘキサンジアミン誘導体の白金錯体を合成した。これらの白金錯体がDNAのどのような塩基配列にどれくらいの選択性をもって結合するかを検討した。DNAを上記白金錯体で修飾した後、酵素分解により白金錯体で修飾された塩基をHPLCで分離同定した。また、HPLCで同定された白金錯体修飾塩基を別途合成し、その構造を高分解能NMR(500MHz)により解析した。なお、DNA塩基への白金錯体の結合選択性、反応速度との関連をより明確にする目的で白金錯体に結合選択性を有する配列を含むオリゴヌクレオチド(12mer)を合成し検討している。白金錯体とDNAとの反応速度に関しては非対称シスプラチン誘導体とDNAとの反応をUVスペクトル法で追跡し、monofunctional bindingとbifunctional bindingとの間の吸収スペクトルの特徴を抽出する事に成功した。この結果に基づき、二波長測光モードでchelation段階の反応を選択的に追跡できることが判明した。その結果、嵩高い置換基、水素結合能の減少した白金錯体はmonofunctional bindingだけでなく、次のchelationの段階の速度も減少させることがわかった。また、半金錯体修飾DNAの二本鎖間のイミノプロトンの重水交換速度をストップドフロー法で追跡した。白金錯体による修飾により重水交換速度が速くなることがわかった。以上の研究結果の一部は「日本薬学会113年会」「金属の関与する生体関連反応シンポジウム」「日本化学会67春季年会」「日本薬学会114年会」で発表した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kenji INAGAKI: "Characterization of Isomers whial are produced by reaction of(IR,3S-Cyclohexane diamns)a latinum〓with nuclsotiole 〓(GpG)" Bull,Chem,Soc,Jpn. 66. 1822-1825 (1993)