1994 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光およびレーザー光分解法による筋収縮蛋白質ミオシンの活性と頭の区別に関する研究
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05640646
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小橋 治通 群馬大学, 工学部, 助教授 (80008515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栄喜 俊夫 群馬大学, 工学部, 助教授 (60143202)
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Keywords | ミオシン / ATPase活性 / 蛍光プローブ / ピレンヨードアセトアミド / ピレンメチルヨードアセテイト / ピレンマレイミド / SH基特異的修飾 / NH_2基特異的修飾 |
Research Abstract |
チオール基あるいはアミノ基に特異的に反応することが期待されるピレン系蛍光プローブを用いて、ブタ心筋ミオシン(M)に対して、その結合の速度と結合比を明らかにした。又、プローブ結合ミオシン(MP)のCa^<2+>-、Mg^<2+>-、EDTA(K^+)-ATPase活性に対するpH依存性を調べて、結合部位の推定を行った。蛍光スペクトルと寿命及びヨウ素イオンとアクリルアミドを消光剤として用いた消光実験から、それらのプローブが結合したMの部位のミクロ環境に関する知見を得た。 1.N-(1-ピレン)ヨードアセトアミドは、反応の選択性が高く、pH7.0、4℃でMと反応して結合比(M:P=1:2)の結合体MP(1:2)を作りやすい。蛍光物性と活性曲線から、このプローブはMの2つの頭の最も反応性の高いチオール基SH1に1個づつ結合していると推定できた。更に過剰のプローブが付加する場合は、既に結合しているプローブとエキシマーを形成する近い位置に結合する事も分かった。 2.N-(1-ピレン)マレイミドと1-ピレンメチルヨードアセテイトはMとほぼ完全に反応し、混合比に近い結合比の結合体を与えた。MP(1:2.2)の試料でもSHIのみでなく他のSH基にも少なからず結合している事が推定された。これらのプローブの部位選択性は前者と比較して劣る。しかし、活性に大きな変化を与えず蛍光プローブを結合させる事が可能であった。 3.アミノ基に反応する塩化1-ピレンスルホニル(PS)はpH8.0、4℃、24時間でも反応が起こり難い。得られた結合体はMP(1:0.14)であった。活性曲線から、恐らく大部分のPSはリジン残基のε-アミノ基に結合していると推定される。結合したPSはヨウ素イオンで消光されるが、アクリルアミドでは消光されない環境にある事も分かった。
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[Publications] 小橋治通: "ATP蛍光に対する二価金属イオンの作用" 日本化学会第67春季年会講演予稿集,2A706. 146- (1994)
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[Publications] 羽田博: "ニワトリ骨格筋ミオシンのトリニトロフェニル(TNP)化とTNP化ミオシンのヒドラジン処理" 日本化学会第67春季年会講演予稿集,3E318. 937- (1994)
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[Publications] 根岸信一: "低濃度のメタノールを含むアセトニトリル中におけるフェニルホスホ硫酸エステルのメタノリシスにおよぼすMg(II)の触媒効果" 日本化学会第67春季年会講演予稿集,2D246. 823 (1994)
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[Publications] 羽田博: "ニワトリ骨格筋ミオシンとサブフラグメント-1のトリニトロフェニル化" 日本化学会第69春季年会講演予稿集,2D107. (1995)