1993 Fiscal Year Annual Research Report
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05640647
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
鳥海 弥和 東京大学, 教養学部, 助手 (70180205)
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| Keywords | 液晶 / 強誘電性液晶 / コンホメーション / NMR / 時間分解FT-IR |
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| Research Abstract |
本研究では、強誘電性液晶(FLC)分子における光学活性鎖のコンホメーション特性と配向特性を明らかにする目的で、重水素NMR測定、時間分解FT-IR測定、さらに計算機実験による解析を進めてきた。
まず^2H-NMR解析については、申請した研究計画の通り、光学活性アルキル末端鎖部分を選択的に重水素ラベルしたFLC試料を合成し測定を開始するための準備を整えた。その構造は以下に示す通りである。また、これと平行して、コア部分にあたるベンゼン環も重水素ラベルした試料の合成も進めている。
さらに、強誘電転移時における各官能基の動的挙動に関する情報を得る目的で、1次元、2次元FT-IR時間分解法による解析も進めてきた。この解析を通し、光学活性アルキル鎖とコア・セグメントの動的挙動に違いがあることなど新しい知見を見いだし、その成果を論文に整理中である。一方、計算機実験の分野では、FLC分子の結晶状態におけるコンホメーション特性を分子動力学計算により解析し、光学活性鎖が分子の長軸に対し垂直に折れ曲がった構造が安定であることを見いだした。これはX線結晶解析の結果とも一致する構造である。この特異的な構造が液晶相でも保持されていることがわかれば、強誘電性の発現メカニズム、また分子の一次構造と巨視的物性との関連を明らかにする上で非常に重要な情報となる。次年度には、^2H-NMR測定と分子動力学計算により、この点を明らかにしていく予定である。
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