1993 Fiscal Year Annual Research Report
新規な高分子化8-キノリノール誘導体の開発と金属イオンの分離特性に関する研究
Project/Area Number |
05640675
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
大橋 弘三郎 茨城大学, 理学部, 教授 (60007763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井村 久則 茨城大学, 理学部, 助教授 (60142923)
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Keywords | キレート樹脂 / 8-キノリノール / 銅(〓)イオン / 吸着挙動 / ポリスチレン |
Research Abstract |
8-キノリノールをポリスチレン樹脂(マクロレティキュラー(MR)型、スチレン-ジビニルベンゼン(10%))に-CH_2-NH-CH_2-結合で導入したPoly[N-(8-hydroxy-5-quinolylmethyl)-4-aminomethylstyrene](PQAS)樹脂を合成し、銅(II)などの種々の金属イオンの吸着特性及び銅(II)の他の金属イオンからの分離をバッチ法及びカラム法で検討した。銅(II)はPQAS樹脂に1:1錯体として吸着され、pH2.0での吸着容量は0.27mmol/g-樹脂である。pH2〜4においては、吸着速度は陰イオンによって異なり、NO_3^-<Cl^-<SO_4^<2->の順に増大する。吸着速度が陰イオンの種類によって異なるのは、陰イオンの存在によって樹脂細孔内の疎水性が変化したことによると考えられる。pH2.0(H_2SO_4)では銅(II)(2x10^<-3>mol)は選択的に100%吸着され、マンガン(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、亜鉛(II)などの金属イオンから分離できる。さらに、カラム法による微量(10^<-8>Mオーダー)の銅(II)イオンの濃縮分離について検討した。PQAS樹脂カラムに吸着された銅(II)イオンは少量の1.5M H_2SO_4により容易に溶離され100倍程度に濃縮される。本法を原子吸光光度法による水道水中の微量銅(II)の濃縮分離定量に応用したところ満足すべき結果が得られた。PQAS樹脂の架橋度を変化させることにより銅(II)イオンの吸着速度をコントロールすることが期待され今後の課題である。
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Research Products
(1 results)