1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640680
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
湯地 昭夫 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60144193)
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Keywords | 高分子錯体 / 濃縮 / 分離 / フッ化物イオン / ジルコニウム / キレート樹脂 |
Research Abstract |
1.親水性ビニルポリマーを基材としゲル表面にのみイミノ二酢酸基を有する高分子(1;TSKgel AF-キレートトヨパール650)およびスチレン-ジビニルベンゼン共重合体を基材とする類似の高分子(2;Amberlite IRC-718)を、それぞれZrO(NO_3)_2またはZrOCl_2溶液と反応させたところ、[H^+]=0.4 mol dm^<-3>で最もよく吸着が起こり、1にはイミノ二酢酸基の数と同程度(0.03 mmol/ml)、2にはその数の半分の(1.1 mmol/g)のZr(IV)が担持された。ZrOCl_2の担持に際して溶液中に残存するCl^-イオンを定量した結果、Cl^-は樹脂中に取り込まれておらず、いずれの溶液を用いても同じ性質を持つ高分子錯体の得られることがわかった。 2.このZr担持高分子へのフッ化物イオン(4μmol)の吸着を、イオン選択電極を用いて解析した。pH 3で1-Zrには99%、2-Zrには96%が吸着し、pH 9ではいずれの場合も定量的に脱着した。Zr(IV)を担持してない1はすべてのpH範囲でF^-を吸着しなかった。吸脱着の反応は、1-Zrでは数分で完結するのに対して、2-Zrでは数時間を要した。pH 2.5での1-ZrへのF^-の吸着に対する見かけの定数は10^<5.3>であった。Zr(IV)に対して当量以上のフッ化物イオンを加えるとZr(IV)が解離して、高分子はフッ化物イオンに対する親和性を失った。 3.Zr(IV)-セミキシレノールオレンジ錯体を用いるF^-の吸光光度定量のフローシステムにこの高分子錯体を含むミニカラムを組み込み一旦濃縮した後溶離することにより、共存する陰陽イオンの妨害を軽減することができた。
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