1994 Fiscal Year Annual Research Report
コレステロール定量用マイクロ酸素センサの試作とその特性に関する研究
Project/Area Number |
05640686
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
本仲 純子 徳島大学, 工学部, 助教授 (40035811)
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Keywords | コレステロール / コレステロールエステル / マイクロ酵素センサ |
Research Abstract |
コレステロールは生体内で細胞膜、細胞の微細粒子膜、ミエリン鞘などを鋼製している重要な脂質であり、血中のエステル型コレステロールの総コレステロールに対する比率は重症肝実質障害の診断に利用されているが、定量法が大変煩雑であるため、簡単で精度の高い分析法の必要性は高い。そこで本研究では、微量のコレステロール並びに総コレステロールを簡単に精度よく迅速定量するために2種類のマイクロ酵素センサの試作について研究をすすめた。まずコレステロールと総コレステロール定量用マイクロ酵素センサの試作並びに測定における基礎的検討を行なった。初めに、アセチレンブラックとテフロン乳濁液を用いて多孔性カーボンペーストを合成した。これをZonyl FSN fluoro-carbon surf actantならびにナフィオンで処理した。微小白金電極(白金直径:50μm)を作製し、王水に浸せきして電極先端部の白金を溶解した。その空洞にカーボンペーストを充填し、別に合成したオスミウム錯体である[Os(bpy)_3](PF_6)_2を用いて、200〜900mVの範囲で100回以上ロ-ディングさせた後に、コレステロールオキシダーゼあるいはコレステロールオキダーゼとコレステロールエステラーゼ混合物を含んだ緩衝溶液に浸し吸着法により酵素を固定化させた。次に、試作したコレステロールならびに全コレステロール用マイクロ酵素センサの特性として、センサへのpHの影響、温度の影響、定量可能範囲、センサの寿命などセンサの特性についてBAS 100B,Electrohemical Analyzer(Bioanalytical Systems,Inc.)を用いて検討した。その結果、pHの影響についてはコレステロールセンサの場合にはpH7.14、コレステロールエステルセンサの場合にはpH6.0、温度はいずれも37℃が最適であった。定量可能範囲は、それぞれ3.3-240mg/lおよび0.83-17mg/lであった。さらに、クレアチニン、尿素、尿酸、アスコルビン酸、レチノールなど共存物質 12 種類の影響についても検討した。センサの寿命は3か月と1か月であった。実際試料として試作センサを用いて、市販薬品中のコレステロールの定量法を検討し、常法の分析値として比較した。また成人男子血清中のコレステロールおよび全コレステロールの定量のために、試作センサの適用を試みて評価した。
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Research Products
(1 results)