1994 Fiscal Year Annual Research Report
コムギ・エギロプス属植物における細胞質ゲノム間での遺伝子転移の分子的解析
Project/Area Number |
05640697
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Research Institution | YOKOHAMA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
荻原 保成 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助教授 (40185533)
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Keywords | コムギ / ミトコンドリアゲノム / プロミスカスDNA / 葉緑体遺伝子 / サザンハイブリダイゼーション / 物理地図 / ホットスポット |
Research Abstract |
高等植物のミトコンドリアゲノムは(1)複雑なゲノム構造を示す。(2)外来DNA断片(Promiscuous DNA)を含む。(3)高頻度のRNAエデイテイングがおこることを特徴とする。高等植物ミトコンドリアゲノムが含むプロミスカスDNAの遺伝的役割を探ることを目的とした。コムギのミトコンドリアゲノムに転移した葉緑体遺伝子の転移機構と転移先ゲノム内での保持機構を解析するため、葉緑体遺伝子のミトコンドリアゲノムへの転移を体系的に調べた。全塩基配列が決定されたイネ葉緑体DNAから機能が判明している70遺伝子を含む55の特異的プローブを作成した。これらのプローブをパンコムギミトコンドリアDNAのマスターサークルを含む14種類のコスミドクローンとサザンハイブリダイゼーションを行い、転移の有無を調べた。用いた55プローブのうち、12プローブ(20遺伝子)で転移が確認された。リボゾームタンパク質遺伝子の転移が比較的高頻度でみられたが、葉緑体の機能で特に転移に関する差異はみられない。ミトコンドリアに転移した葉緑体に由来するプロミスカスDNAは比較的短い断片からなり、ミトコンドリアマスターサークルDNAの約5%に相当した。トランススプライスされる葉緑体遺伝子の一方のみが転移していたこと、転移したDNA断片が介在配列を含んでいたことから、転移の機構としてはDNAを介在したものであると考えられる。転移断片をコムギmtDNAの物理地図上にマップしてみると、葉緑体遺伝子断片が集積するホットスポットおよび転移がほとんどみられない領域が存在することが判明した。
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Research Products
(1 results)