1993 Fiscal Year Annual Research Report
相同組換えに伴うジーンコンバージョンとマウスの遺伝子修復
Project/Area Number |
05640699
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
権藤 洋一 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (40225678)
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Keywords | 組換え修復 / ジーンターゲッテイング / 相同組換え |
Research Abstract |
ジーンターゲッティングを用いて、マウスES細胞のp53遺伝子座に[neo^R:HSV-tk]カセットを標的導入した。確立した細胞は野生型(W)と[neo^R:HSV-tk]カセットを導入したアリル(T)のヘテロ接合体(W/T)である。この細胞に再び、標的遺伝子置換を行って、マウスp53遺伝子と全く相同性のない大腸菌lasZ遺伝子に置換することに成功した。このとき置換体以外のGANC耐性株のほとんどは、野生型アリルWのみがみられたものであった。この、Wのみみられた細胞株は、[neo^R:HSV-tk]カセット(T)を欠夫したアリル(D)とのヘテロ接合体(W/D)である可能性と、TアリルがWアリルに組換え修復されW/Wホモ接合体となった可能性の2つあり、このなかにアリル間の組換えに伴う遺伝子修復であるかどうかを確認するのが本年度の第一の目的であった。サザーン解析のシグナル強度より、ほとんどのものがW/Wホモ接合体であることが示唆され、そのうちのを5系統を量的に解析したところ、全てW/Wホモ接合体であることが確認できた。ゆえに、我々の系において組換え修復が頻繁に生じており、Wのみを示すGANC耐性株のほとんどがこの組換え修復によるW/Wホモ接合体であるとわかり、第一の目的は達した。さらに、この組換え修復に一般性があれば、TがWに組換え修復されると同時に、その逆の、WがTに組換え修復されたT/Tホモ接合体も現れることが期待される。もしそうであれば、Mortensenらが報告した高濃度のG418選択法を用いれば両アリルともneo遺伝子をもつ組換え修復体T/Tホモ接合体が我々の系でも単離できるはずである。本年度の実施計画でこの検討も予定しており、実際に行なったところ、明らかにneo^-tkカセットのみとなり、野生型アリルWが失われた細胞株が通常の5倍濃度のG418選択にて得られた。 以上、本年度の研究目的はすべて達成できた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] M.H.Brilliant: "Direct molecular identification of the mouse pink-eyed unstable mutation by genome scanning" Science. 252. 566-569 (1991)
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[Publications] Y.Nakatsu: "The p_-locus is closly linked to the mouse homdog of a gene from the Prader-Willi chromosome region." Mammalian Genome. 2. 69-71 (1992)
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[Publications] M.H.Brilliant: "Molecular characterization of the P^<un>_-allele of the mouse pink-eyed dilution locus." Pigment Cell Research. 5. 271-273 (1992)
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[Publications] J.M.Gardner: "The mouse pink-eyed dilution gene:Association with human Prader-Willi and Angelman syndromes." Science. 257. 1121-1124 (1992)
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[Publications] M.F.Lyon: "Genetic and molecular analysis of recessive alleles at the pink-eyed dilution (p_-)locus of the mouse." Proc.Natl Acad.Sci.USA. 89. 6968-6972 (1992)
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[Publications] Y.Gondo: "High-frequency genetic reversion mediated by a DNA duplication:Mouse pink-eyed unstablemutation" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 90. 297-301 (1993)
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[Publications] 権藤洋一: "トランスジェニックマウスを用いた変異原の高感度解析法の開発" 環境変異原研究. 15. 39-49 (1993)
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[Publications] 中村健司: "自在な標的遺伝子置換法" 実験医学. 11(20). 138-141 (1993)