1994 Fiscal Year Annual Research Report
担子菌ヒトヨタケの形態形成を阻害する細胞骨格突然変異の解析
Project/Area Number |
05640751
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鎌田 堯 岡山大学, 理学部, 助教授 (40033360)
|
Keywords | 担子菌 / ヒトヨタケ / β-チューブリン / 微小管 / アクチンフィラメント / サイトカラシンE / 核移動 / 隔壁形成 |
Research Abstract |
1.ヒトヨタケのβ1-チューブリン変異株BEN193では、分裂装置の紡錘体は正常であるが星状体の形成に異常が見られ、野性型株では90%以上の分裂装置が星状体を持っているのに対し、BEN193ではほとんどの分裂装置は星状体を欠いていることがわかった。そこで、分裂核の定位・運動、隔壁形成(動植物の細胞質分裂と相同の過程)における星状体微小管の役割を知るために、野性型とBEN193の二核菌糸における分裂核の挙動と隔壁形成を詳細に比較した。その結果、星状体微小管は、分裂核の定位・運動には、直接関係しないが、隔壁形成の位置の決定に関与していることが証明された。 2.ヒトヨタケの微小管に関係する6座の遺伝子のうち、4座については遺伝子産物が未同定である。4座のうち1つmipAはその表現型の特徴からγ-チューブリンの遺伝子である可能性が考えられたため、γ-チューブリン抗体を用いたウエスタン・ブロティングによる分析を試みた。しかし、抗体の反応が弱く実験は不成功であった。そこで、現在のDNAレベルからの分析を行っている。 3.抗アクチンフィラメント剤サイトカラシンに対する耐性変異株CES14R80における、核の定位・運動について調べたところ、この変異株では、分裂核の定位が乱されていることがわかった。そこで、引き続き詳細な観察を行っている。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Shigeru Tanabe: "The role of astral microtubules in conjugate division in the dikaryon of Coprinus cinereus." Experimental Mycology. 18. 338-348 (1994)
-
[Publications] Takashi Kamada: "The role of the cytoskeletion in the movement and positioning of nuclei in Coprinus cinereus." Canadian Journal of Botany. 73(in press). (1995)