1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640760
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
沼田 治 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (50189354)
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Keywords | テトラヒメナ / ミトコンドリア / クエン酸合成酵素 / 繊維形成蛋白質 / 多機能性 |
Research Abstract |
テトラヒメナの14nm繊維蛋白質の遺伝子をクローニングしたところ、クエン酸合成酵素と高い類似性があることが明らかになった。そこで本年度は以下の4点について検討した。 1)テトラヒメナのミトコンドリアよりクエン酸合成酵素を精製し、重合・脱重合によって精製した14nm繊維蛋白質と酵素活性、酵素活性に及ぼす抗体(抗14nm繊維蛋白質)の影響、抗原性などを比較検討した。その結果、酵素活性の至適pH、至適KCl濃度、ATPによる阻害効果などが全く同じであった。抗原性も全く同じであり、クエン酸合成酵素の活性は抗14nm繊維蛋白質抗体で阻害された。以上のことより、これら2つの蛋白質は同一のものであると結論した。 2)クエン酸合成酵素/14nm繊維蛋白質が、成長速度が遅くなった時期から定常期にかけて、ミトコンドリア内で繊維束を形成することを発見した。定常期の細胞を新しい培地に移すとミトコンドリア内の繊維束が消失したので、酵素活性の調節と繊維束形成の間に関連があると考えられる。 3)クエン酸合成酵素/14nm繊維蛋白質の重合・脱重合によって酵素活性がどのようになるかを検討した。その結果、重合すると活性は消失し、脱重合すると、活性が出現することが判った。 4)一つの蛋白質が全く異なる2つの機能を持つことが示唆されたが、遺伝子が一つかあるいは類似した2つの遺伝子からそれぞれの蛋白質がコードされているのかを検討した。その結果遺伝子も、mRNAも唯一であることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 沼田治: "テトラヒメナの多機能蛋白質-14nm繊維蛋白質とEF-1α-" 蛋白質核酸酵素. 39. 106-118 (1994)
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[Publications] 沼田治、保田友義、渡辺良雄: "原生動物テトラヒメナの細胞質分裂" 細胞. 26. 7-12 (1994)
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[Publications] Watanabe,Y.,Numata,O.,Kurasawa,Y.,Katoh,M.: "Cultivation of Tetrahymena Cells" In Cell Biology:A Laboratory Handbook,ed.by J.E.Celis,Academic Press,San Diego,. 398-404 (1994)
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[Publications] Tkeda,T.,Kurasawa,K.,Watanabe,Y.,Numata,O.: "Polymerization of highly purified Tetrahymena 14-nm filament protein/citrate synthase into filaments and its possible role in regulation of enzymatic activity" The Journal of Biochemistry. (in press). (1995)
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[Publications] Numata,O.,Suzuki,H.,Ohba,H.,Watanabe,Y.: "The mutant gene product of a Tetrahymena cell-division-arrest mutant cdaA is localized in the accessory proteins of specialized basal bodies close to the division furrow" Zoological Science. (in press). (1995)
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[Publications] Numata,O.,Yasuda,T.,Watanabe,Y.20GB06:Tetrahymena intramitochondrial filamentous inclusions contain 14-nm filament protein/citrate synthase: Experimental Cell Research. (in press). (1995)