1994 Fiscal Year Annual Research Report
卵細胞内カルシウムイオンの一過性増大を誘起する精子由来の因子の同定
Project/Area Number |
05640764
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Research Institution | Toyama University |
Principal Investigator |
黒田 英世 富山大学, 理学部, 教授 (50064845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 徹 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (40025680)
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Keywords | ウニ / 卵細胞 / カルシウムイオン / 精子 / Inositol 1,4,5-Trisphosphate / cGMP |
Research Abstract |
計画 我々はウニ精子可溶性画分を、受精膜を取り除いた受精卵に細胞外から投与すると、受精時とよく似た一過性の[Ca^<2+>]_iの増大を誘起する活性を見いだしている。この因子に関し以下の研究を行う。 1.この因子の精製を引き続き行う。前年度の精製により、いくつかの性質が分かってきた。それを参考にさらに精製方法に改良を加え、精製を行う。 2.この因子による活性化には、IP_3が関与しているかどうか明らかにするため、因子投与前後の卵内IP_3量および卵細胞内のCaイオン濃度の経時的変化の測定をおこなう。 3.受精時の活性化にはCaによるCa遊離(CICR)の機構も関与していると考えられている。この因子による活性化にもこの機構が関与しているかどうかを明らかにするため、細胞内cGMP濃度の経時的測定をおこなう。 結果 1.陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂およびアミド80によるクロマトグラフィイによる精製の結果かなり精製出来たと思われる。しかし残念ながらその後の脱塩操作などで一挙に失活してしまい、精製は進行していない。 2.および3.IP_3およびcGMPはアマシャム社のisotope dilution methodを用い再現性良く測定できた。結果はcGMPの増大が先行し、ついでCaイオンの一過性増大が、ついでIPが増大した。 この結果は受精後のCa-transientにはCICRが主導的役割を果たし、IICRはCa-transientの結果起こるという仮説と矛盾しなかった。
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[Publications] M.Osawa: "Soluble sperm extract triggers inositol 1,4,5-Trisphosphate-induced Ca^<2+> release in the oocytes of the sea urchin,Anthocidaris crassispina" Cell Struct.Funct.19. 73-80 (1994)
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[Publications] M.Osawa: "Sperm and its soluble extract cause Transient increases in intacellular calcium concentration and in membrane potential of sea urchin zygotes" Dev.Biol.166. 268-276 (1994)