1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640781
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
立石 庸一 琉球大学, 教育学部, 助教授 (80114544)
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Keywords | 沖縄諸島 / 琉球列島 / マメ科 / インゲンマメ連 / ミヤコジマツルマメ / ボウコツルマメ / ヤエヤマシタン / 形態分化 |
Research Abstract |
琉球大、東北大、東大に所蔵されている標本に基づいて、琉球列島(沖縄諸島)に分布するマメ科インゲンマメ連の分布と形態に関する予備調査を行い、そのデータに基づいて、沖縄本島、伊江島、沖永良部島、宮古群島、石垣島、与那国島などで現地調査を行った。その結果、多くの同連植物の標本、試料を収集し、その生育地の調査を行った。また、一部については種子や生品を採集し、琉球大学で栽培中である。 これらについて研究の結果、特に、ボウコツルマメと混同されることの多かったミヤコジマツルマメが、これとは葉や果実の形態の異なる別種であることがわかった。同時に両種の分布を調べ、前者がオーストラリアからフィリピン、台湾(膨湖島)を経て琉球では伊江島と沖永良部島のみに限られること、後者が宮古群島と石垣島北部の固有種であることを明らかにした(以上、発表を準備中)。明年度はミヤコジマツルマメがボウコツルマメから分化したのか、あるいは別の起源か、同種の分化や分布の過程を明らかにするため、同種およびボウコツルマメの島嶼間の変異、個体群間の遺伝的な関係を詳しく調べる予定である。 また、ヒナアズキ、オオヤブツアズキ、ハマアズキ、ナガバハマササゲ、サクヤアカササゲなど、ササゲ属植物の島嶼間の変異についても、材料を収集し解析を行いつつある。 関連のグループとして同じマメ科のヤエヤマシタンについても研究を行い、特に果実の形態に基づいて、これがインドシタンと同一種だとする従来の説を覆し、フィリピンと石垣島に分布の限られる独立種であることを明らかにした(発表準備中)。石垣島ではヤエヤマシタンが激減しているが、自生のものは僅かに4本であり、これらを母木として栽培されている株も30-40本と非常に少ないことがわかった。
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