1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640799
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Research Institution | The Japan Snake Institute |
Principal Investigator |
鳥羽 通久 (財)日本蛇族学術研究所, 分類学研究室, 主任研究員 (40109856)
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Keywords | ハブ類 / 分類 / 染色体 |
Research Abstract |
東南アジアからのハブ類生体の入手が難しくなったが、インドネシアから輸入することができ研究を進めることができた。今回新たに核型の分かったものは、ビルマアオハブ、シロクチアオハブ、ヨロイハブで、いずれもこれまで知られているハブ類の核型とは差がなかった。しかし、ビルマアオハブでは、W染色体が端部動原体型で、これはハブ類では初めて見つかった。他のマムシ亜科のヘビでも、1つの属で1種くらいにしか見られない。また、ペルシァツノクサリヘビが入手できたので、近縁のグループとして核型を調べたが、これはクサリヘビ科では最も少ない染色体数で、小染色体数の減少によるものと考えられた。これは形態的にも、特殊化した種と考えられているので、やはりハブ類に見られる核型は比較的原始的なものといって良いと思われる。鱗の表面構造の比較からは、これまでに示唆されているハブ類を4つのグループに分ける考えが、支持されている。頭骨の研究からは、特に上顎骨-翼状骨系の形態に、興味深い変異が見られた。前に示した上顎骨-翼状骨の接合部の構造に加え、上顎骨の構造そのものに、マムシ亜科内での大きな属による違いがあり、ハブ類内部でもグループごとに同様の違いを示しており、それは主に中央突起の位置の違いによっている。新大陸のグループが最も特殊化しており、ハブ類は比較的原始的と考えられるが、なかでもヒメハブが最もマムシに近い。ヨロイハブはやや特殊で、位置づけははっきりしない。
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