1993 Fiscal Year Annual Research Report
生年月日不明の伝統社会における成長研究の妥当性の研究
Project/Area Number |
05640806
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
河辺 俊雄 高崎経済大学, 経済学部, 助教授 (80169763)
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Keywords | 成長 / 伝統社会 / 生年月日不明 / 年齢推定 / ロジスティック式 / シミュレーション / 成長曲線の信頼性 / 身長の平均成長曲線 |
Research Abstract |
人類の適応や進行を研究する場合、成体の比較だけではなく、成長過程を明らかにすることは重要である。しかし成長研究は、欧米や日本が中心で、人類の変異の研究に欠かせない伝統社会については、人々の年齢がはっきりしない(生年月日が不明)ために、ほとんど行われていない。 生年月日不明の集団に対する成長研究として、これまで一定間隔(通常は1年間)で2回の測定を行なって、ロジスティック式による成長曲線の推定を試みてきた。そして今年度は、村人全員の出生順位から年齢を推定して成長曲線を推定する方法を詳細に検討し、パプアニューギニアのギデラ族調査結果に適用して、論文として発表した。 一方、これらの方法で推定された成長曲線がどの程度信頼できるかは、十分に検討されていない。既に報告されている年齢の明らかな縦断的成長データを利用して、モンテカルロ法によるコンピュータ・シミュレーションを行う必要がある。そこで、今年度実施したのは、以下の3点である。 【.encircled1.】これまでの成長研究の中から、出生記録が不十分で、対象者数が限られたデータにも適用できる手法やモデルを抽出する。 【.encircled2.】モデルの当てはまりの良さを検討するために、身長を含めた測定データ(既に報告されている、年齢の明らかな縦断的成長データ)をパーソナル・コンピュータに入力する。 【.encircled3.】各種の方法やモデルの中から当てはまりの良いものを選択する。まず、身長の平均成長曲線の当てはめを行った後、他の測定値に広げる。 このように、研究は計画にそって順調にすすんでおり、次年度で完了する予定である。
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