1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650004
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大嶋 重利 山形大学, 工学部, 教授 (40124557)
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Keywords | ヘテロ構造LB膜 / 電流スイッチング現象 / LB膜の累積比 / 表面平滑性 / C15TCNQ |
Research Abstract |
ラングミュア・プロジェット法(LB法)を用いて、アラキン酸カドミウムとC15TCNQのヘテロ構造LB膜を作製し、本年度は次の様な成果を得た。 (1)アラキン酸カドミウムとC15TCNQのヘテロ構造LB膜を作製し、その平滑性をAFMで測定し、次のことが明らかとなった。 (イ)アラキン酸カドミウムLB膜は、1分子サイズ凹凸が見られる程度の平滑性である。 (ロ)C15TCNQ単独のLB膜は、1分子サイズ程度の凹凸が見られる部分と数分子程度の凹凸が見られる部分がある。 (ハ)ヘテロLB膜の表面の凹凸は、C15TCNQLB膜の凹凸と極めて似ている。 (2)アラキン酸カドミウムとC15TCNQヘテロ構造LB膜のFET構造デバイスを作製し、その電気特性から次のことが明らかとなった。 (イ)ゲート電圧に正の電圧を印加すると、ゲート・ソース間の電流値は増加するが、負の電圧を印加すると、電流値は変化しない。 (ロ)ゲート・ソース間の電圧をある電圧以上印加すると急激に電流値が増加する。(電流スイッチング現象) (3)電流スイッチング現象を起すLB膜の条件を明らかにした。 (イ)アラキン酸カドミウムLB膜、C15TCNQ単独LB膜では電流スイッチング現象は観測されない。 (ロ)カドミウムイオンを含んだC15TCNQでは、電流スイッチング現象が観測された。 以上の結果、LB膜の電流スイッチング現象は、印加電圧により誘起されるカドミウムイオンとTCNQとの電荷移動錯体による相変化である判明した。
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[Publications] 西田直樹,大嶋重利,奥山克郎,中島健介,山下努: "ヘテロLB膜の作製とその電気特性" 電気学会論文誌. 114. 13-19 (1994)