1993 Fiscal Year Annual Research Report
液体状態のホール効果測定における非線形効果の及ぼす影響
Project/Area Number |
05650012
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
荻田 正巳 静岡大学, 工業短期大学部, 教授 (50006269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
以西 雅章 静岡大学, 工業短期大学部, 講師 (80022317)
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Keywords | 液体状態 / 電気伝導 / ホール効果 / 二周波交流法 / 非線形性 / 擬似信号 / ac-dc法 |
Research Abstract |
液体状態の電気伝導の研究にホール効果が用いられ、液体状態の微小信号を検出するには、一般に感度の良い二周波交流法が用いられる。この測定方法は擬似信号を検出する場合があるので、発生原因とこれに対する対策を検討した。本申請で購入されたロックインアンプを駆使した結果、擬似信号の発生は測定系の非線形性が原因している事が分かった。筆者ら提案のac-dc法を用いて、擬似信号か否か判別しながら測定する事ができた。また擬似信号発生原因は大きく二つある事が判明した。(i)溶液と電極との界面に非線形性の要因があれば二周波交流法では擬似信号を発生する。(ii)液体状態ではローレンツ力により測定試料の伸縮運動、その作用があり、外部磁界の大きさに対応した微小な抵抗変化が発生する。この抵抗変化が第二の擬似信号発生原因となる事が分かった。これらを避けるには(i)に対しては、筆者らのac-dc法の使用、(ii)に対しては、ローレンツ力による機械的な変動を通常の雑音レベルまで減少させるために、1kHz以上の高い周波数領域での測定、が有効である。このようにして測定された液体状態のホール効果の結果から、Naのような一価金属では固体状態と液体状態ではホール係数R_Hに殆ど差異がなく自由電子モデルの適用が有効である事が分かった。しかしGa金属では液体状態は三価金属の扱いでR_Hが自由電子モデルと一致するが、固体状態では9倍程大きな異常な値が得られたが原因はまだ分かっていない。STMの分野でも同様の議論があるので関係付けられれば興味深い。また本申請装置と二周波交流法により金属の液体状態では、高い測定周波数領域でもBの二乗に比例する成分が存在する事が判明した。四端子法でも検出されたので、Bの二乗に比例する磁気抵抗効果が液体状態では本質的に発生するものと考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 荻田 正巳 他: "液体状態のホール効果測定における磁界による微小抵抗変化の影響" The Second MAGDA Conference,1993. 89-92 (1993)
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[Publications] M.Ogita,他: "Nonlinear Perplexities for Hall Measurement in Liquid Metals" Extended Abstracts of ECS. 93-1. 2542-2543 (1993)
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[Publications] 荻田 正巳 他: "液体状態のホール効果測定と磁界による不要信号" 日本AEM学会誌. 1. 10-14 (1993)
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[Publications] M.Ogita,他: "Effect of resistance variation for Hall measurements in Liquid metals" Applied Electromagnetics in Materials. 5. 495-498 (1994)