1993 Fiscal Year Annual Research Report
Si上のGaAs成長におけるII属単原子層の界面導入の効果
Project/Area Number |
05650014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前橋 兼三 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (40229323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 利道 大阪大学, 工学部, 助教授 (00183004)
井上 恒一 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (50159977)
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Keywords | Si基板 / GaAs薄膜 / 界面電荷中性化 / II族単原子層 / 光電子分光 / 反射高速電子回折 / Ge基板 / UVオゾン処理 |
Research Abstract |
Si上へのGaAsエピタキシャル成長は成長初期の時点からGaAsが島状成長し、そのために良好にGaAs薄膜が得られないと考えられる。本研究ではGaAs/Si界面の電荷の中性化に着目し、分子線成長(MBE)を用いて界面にII族原子としてBeを導入してその効果を調べた。 まず、この科学研究費で購入したコンピュータを、MBE装置とX線および紫外線光電子分光装置(XPS、UPS)とが結合した複合表面評価装置に組み込んで実験装置の操作、および、データの収集、解析が迅速に行えるようにした。 次に、GaAs/Si(111)界面にBe原子を単原子層導入し、その成長初期過程を反射高速電子線回折によって詳細に調べた。その結果、Be原子を導入することにより、GaAsが数分子層まで層状成長することがわかった。さらに成長条件を変化させ、その成長過程を調べた。その結果、BeとAsを蒸着するときのV/II比が小さければ小さいほどBeAsが層状に成長し、その上のGaAsもきれいに成長することが明らかになった。 GaAsと格子定数がほぼ等しいGe基板についても同様の実験を行うためにGe基板の清浄化を試みたが、清浄表面Ge(111)c(2x8)構造が得られなかった。この原因として炭素(C)等の有機不純物による影響があると考えられる。そのため、UVオゾン処理による半導体表面への効果を調べた。まず、Si(111)面を用いて行った。大気中に放置しているSi基板からかなり強いClsXPSの信号が得られたが、UVオゾン処理を行うとClsの強度が急激に減少することがわかった。さらにこの基板をHFでエッチングを行い、その後UVオゾン処理を行うと、Cls信号はまったく見えなくなり、Cがないきれいな酸化膜で覆われたSi基板を作成することができた。この試料を装置に導入し、加熱することにより非常にきれいなSi(7x7)表面を得ることができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 前橋兼三: "Charge-Balanced Heteroepitaxial Growth of GaAs on Si" Jpn.J.Appl.Phys.32. 642-645 (1993)
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[Publications] 前橋兼三: "Effects of SiAsBeAs Interface Structure on the Initial Stages of GaAs MBE Growth on Si(111)" J.Crystal Growth. 127. 98-101 (1993)