1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650042
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井筒 雅之 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (70093375)
|
Keywords | マイクロ波 / ミリ波-光波相互作用 / マイクロ波トランジスタ / 光ミキシング / マイクロ波 / ミリ波発生 / マイクロ波 / ミリ波信号 / 光波信号 / 超短光パルス / ピコ秒光パルス |
Research Abstract |
超高速半導体デバイス(マイクロ波トランジスタ)の,ミリ波帯における光ミキシング特性の解明を目標として研究を進めた.HEMTなどの超高速3端子電子デバイスに光を照射した場合の伝達特性変化,すなわち,マイクロ波/ミリ波信号だけでなく光波信号を同時に入力とする場合の,電子デバイスの応答特性を解明し,これをマイクロ波/ミリ波と光波との相互作用デバイスとして活用するための新しい道を切り開こうとするものである.[1]マイクロ波/ミリ波によって強度および位相変調された光波,[2]異なる2波長(周波数)成分の混合光波,さらには[3]ピコ秒/フェムト秒の超短パルス光波など,様々な光波信号が考えられる. 当初計画に沿って実験ならびに理論研究を遂行した.マイクロ波MOSFETおよびHEMTを使用して,まず,半導体増幅回路を構成し,静特性測定およびネットワークアナライザによるマイクロ波/ミリ波特性測定を行った.次に,この回路に[1]強度変調光,および[2]ピコ秒パルス光信号を照射し,応答特性を測定した.これらによって,ピコ秒光パルスに含まれるミリ波帯信号の検出を試みた.また,光波長を可変として,時間応答特性の変化を調べた.以上の実験から,光照射による出力増大,高速応答性などが確かめられ,本研究の方向の妥当性が確かめられた.ただし,残念ながらナノ秒以下の超高速応答を定量的に測定するには至らなかった.当初計画していた,マイクロ波回路設計ツール(CAD)が使用(借用)できず,今回の実験では電気回路設計が十分行えなかった結果,デバイスの電気的特性を十分に活用されていない.しかし,今後研究を進めるに当たって押さえるべきポイントが明らかになり,また,条件によっては光照射によって出力が減少する場合が見つかるなど,腰を据えて今後さらに本研究を発展させる上での貴重な知見が得られた.さらなる研究の継続,展開が強く望まれる.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 井答雅之: "光集積回路のマイクロ波応用" 電気学会論文誌A. 113-A. 437-442 (1993)
-
[Publications] 井筒雅之: "Saturable absorption in ion-exchanged CdSxSe1-x glass waveguides" Japanese J.Appl.Phys.32. L840-L842 (1993)
-
[Publications] 井筒雅之: "A new lightwave-microwave signal conversion method" Proc.IEEE MTT-S Intnl Microwave Symp.(1993)
-
[Publications] 井筒雅之: "Lightwave-microwave mixing processes" Proc.26th General Assembly URSI. 30030 (1993)
-
[Publications] 井筒雅之: "Advances in the optical heterodyne reception" Tech Digest of 23rd European Microwave Conf.93 (1993)
-
[Publications] 井筒雅之: "液相エピタキシャル成長LiNbO3薄膜光導波路とそれを用いた進行波型光変調器の作成と評価" 電子情報通信学会論文誌C-1. 77. (1994)