1993 Fiscal Year Annual Research Report
電子デバイス用薄膜の弾性定数の超音波顕微鏡による測定
Project/Area Number |
05650074
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
朴 位坤 東京工業大学, 工学部, 助手 (60238243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
轟 章 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50211397)
中村 春夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40134829)
小林 英男 東京工業大学, 工学部, 教授 (00016487)
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Keywords | 弾性 / 材料試験 / 非破壊検査 / 超音波 / 薄膜 / 積層構造 / 超音波顕微鏡 / LSI |
Research Abstract |
近年,3次元的多層積層構造を有する超LSIが検討されるようになった.この多層積層構造超LSIでは,基盤上に絶縁層や半導体層,配線などのμm程度の厚さの薄膜積層構造を有している.この形成には熱処理工程があり,各層の熱膨張係数の違いに起因する残留応力が発生し,信頼性低下をもたらす.このため,LSI内部の応力解析が近年試みられているが(1),解析に用いられる弾性係数は巨視的試験片での値を用いており,巨視的試験片と結晶配列の異なる薄膜の弾性係数が巨視的試験片と同じである保証はない.従来の薄膜の弾性係数測定手法は,薄膜材料を基盤から剥離して変形させ,変形逆解析する方法(2)(3)や,薄膜に圧子を押込み,接触論を利用した逆解析を行なう方法(4)などがあるが,特殊な薄膜を要求したり,必要な膜厚が100μm程度であり,実際の薄膜には適当でない.超音波顕微鏡は試料表面近傍に表面波を励起することで試料の弾性的性質の情報を引出すシステムであり,薄膜剥離検出などに用いられているが,同時に非破壊的に表面弾性波を実測可能である.そこで本研究では,この超音波顕微鏡を用いて基盤上の薄膜弾性係数を測定する手法を解析的に検討し,ガラス基盤上のアルミニウム薄膜に適用し,その有効性を明らかにした.薄膜の弾性係数測定に試料表面の弾性的特性の定量的評価が可能な超音波顕微鏡を適用した.薄膜試験片に対して実測値と解析値を比較し,薄膜の弾性係数を測定する手法を開発し,実際に適用した.得られた結果を要約すれば以下のとおりである.(1)超音波顕微鏡の音速測定精度は,各種影響因子を考慮することで向上し,絶対精度±0.49%が得られた.(2)薄膜試験片では,音速の膜厚依存性,周波数依存性が実測され,これを用いて,薄膜の弾性係数を評価する手法を示した.(3)アルミニウム薄膜弾性係数はバルク状態よりも10%程度減少した.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 轟章,小林英男,中村春夫,朴位坤,荒居善雄,飯田英徳: "超音波顕微鏡による薄膜弾性係数測定手法の検討" 日本機械学会論文集(A編). 59. 169-175 (1993)