1993 Fiscal Year Annual Research Report
き裂進展を想定し,き裂先端に湧き出しのある転位の動力学モデルに関する研究
Project/Area Number |
05650081
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
斎藤 憲司 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (20027775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 栄敏 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (60222741)
岩本 正治 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (70089861)
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Keywords | 転位動力学 / 転位源活性化応力 / き裂 / 介在物 / 堆積 / 臨界応力拡大係数 |
Research Abstract |
本研究は,転位の動力学による破壊現象の説明を主たる目的とするものであり,破壊に対する実験結果の多くがき裂の応力拡大係数によって整理されていることに鑑みて,モデル中に導入したき裂を転位源として採用した.また,転位源活性化応力としては,従来の研究代表者らによる研究で用いられたき裂先端の転位源活性化応力にかわり,き裂先端の臨界応力拡大係数Kcを用いることにより動力学モデルの構築を行った.なお,転位の運動速度と作用応力の関係については,これまでと同様に線形応力-速度関係式を用いた.このような動力学モデルを用いて,き裂先端前方に母材と弾性率の異なる円柱介在物が存在し,き裂先端より放出された転位がこの介在物に堆積するという場合について転位の運動方程式を定式化し,具体的に数値シミュレーションを行った.その結果,以下の知見が得られた. 1.き裂先端より放出された全転位の運動距離を用いて塑性ひずみを定義することにより,き裂先端に形成される塑性ひずみの経時変化が求められた. 2.同一時刻におけよ塑性ひずみの大きさは,作用応力の増加や転位の放出条件であるき裂先端の臨界応力拡大係数Kcの減少によって増加するというきわめて妥当な結果が得られた. 3.き裂と介在物との幾何学的関係が塑性ひずみに及ぼす影響については,介在物とき裂先端との距離が減少するに従い,また,介在物の径が増加するに従って塑性ひずみは小さくなることが解った. 4.さらに,塑性ひずみの大きさは介在物の剛性が増加するにつれて減少することが明らかとなった.
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