1993 Fiscal Year Annual Research Report
多結晶材料の成形限界に及ぼすマクロ/ミクロ因子に関する解析的検討
Project/Area Number |
05650082
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
今谷 勝次 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (70191898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高倉 章雄 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (40163183)
山口 克彦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90027805)
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Keywords | 多結晶体 / 結晶塑性学 / 有限要素法 / 成形限界 / 表面粗面化 |
Research Abstract |
多結晶体の成形限界に関わる因子を合理的に把握することを目的として,平成5年度では,単結晶素過程モデルの3次元FEMコードへの適用と結晶粒を粗大化させたAl/Cu材の引張り変形における粗面化の観察を中心に検討を進めた結果,以下の知見を得た. 1.初期異方性板材に対する3次元有限要素法によるシミュレーションを試み,変形局所化の過程を解析した.その結果,異方性軸を表わすベクトルの伸縮が変形局所化の開始と成長を加速させることがわかった.このことは,Asaro,Needlemanの単結晶モデルを用いても同様の結果が得られるものと考えられる. 2.ポータブルマルチ温度計(横河電機社製)を用いて焼鈍過程を正確に制御し,結晶粒径を200μm程度まで粗大化させた.さらに,動ひずみ測定器(東京測器研究所社製)2台を購入して引張り変形のひずみを測定した.その結果,マクロな変形と結晶粒内の不均一な変形の対応関係を検証できることがわかった. 3.Al/Cu試料に50〜100μmのグリッド(インデンテーション)を入れて金属顕微鏡で観察,写真撮影した後,スキャナー(YHP社製)でコンピューターに格納し,不均一なミクロひずみの同定を試みている. 4.自由表面の粗面化(凹凸の進展)に関するスペクトル解析では,FFTのチェックを兼ねて現有の燒結材料に対すル自由表面のスペクトル解析を試みており,文献で得られているデータとの照合を行っている. 現在,素過程モデルを用いた3次元FEMコードを作成中であるが,詳細なアルゴリズムを完成し,コーディングの半ばである.また,結晶粒内オーダーでのスペクトル強度のほかにも10〜結晶粒を1単位として強度の大きい成分が観察されている.これが成形限界にどのような影響を及ぼすかは,今後の検討課題である.
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